小説・人文

イラストブックレビュー

ひと目でわかる!イラストブックレビュー
『ミチルさん、今日も上機嫌』原田 ひ香 (著)

四十五歳のミチルは元夫が残してくれたマンションで独り暮らしをしている。いきあたりばったりに生きてきた部分もあるけれど、これからの人生、将来に不安がないわけじゃない。時代の変化に戸惑うこともある。それでもめげずに前を向いて歩いていく、そんなミチルの物語。
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『樽とタタン』中島 京子 (著)

今から三十年以上前、小学生だったわたしは学校帰りに毎日坂の下の喫茶店に通っていた。店の隅にある赤い樽が気に入っていた私を、常連客の小説家が樽といっしょだから「タタン」と名付けてくれた。店にはこの小説家のほかに歌舞伎役者の卵や謎の生物学者、無口な学生などクセの強い客がやってくる。学校が苦手な少女は、ヘンテコな大人たちの本当や嘘を耳にする。
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『世界でいちばん透きとおった物語』杉井 光 (著)

有名なベストセラー推理作家の宮内彰吾を父に持つ燈真だが父と会ったことは一度もない。校正者だった母と仕事をしていた編集者の霧子さんから、父が亡くなったとの連絡が。その1ヶ月後、宮内の長男・朋晃から、父親が死ぬ間際に執筆していたと思われる小説について何か知らないかとたずねられ、燈真はその原稿を探すことに。果たしてその原稿を見つけ出すことができるのか。
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ひと目でわかる!イラストブックレビュー『みちづれの猫』唯川 恵 (著)

離婚後、抜け殻のようになりゴミ溜めのような部屋で暮らしていた江美。そんな江美の部屋のベランダに茶トラの牡猫がやってきた。茶太郎と名付けた猫との生活で江美は次第に自分の心と身体を取り戻していく。しかし茶太郎はある日家を出ていったきり帰らなくなった(「運河沿いの使わしめ」)。傷ついた時、そこに寄り添ってくれる猫に救われた女性たちの心あたたまる七つの物語。
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『八月の銀の雪』伊与原 新 (著)

断られ続ける就活、幼い娘を育てるシングルマザー、夢をあきらめた契約社員。傷つき苦しむ彼らが出会った科学の世界と知識は、新たな一歩を踏み出すための力となる。壮大な自然の営みや動物・生物の不思議さに包まれ癒されていく五編の物語。
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『52ヘルツのクジラたち』町田 そのこ (著)

親から自分の人生を搾取され続けてきた女性・貴湖は祖母がかつて暮らしていた大分の家に移り住む。遠慮や慎みのない田舎の人々とあえて距離を置くようにしていた。そんなある日、貴湖は一人の少年と出会う。喋ることができないこの少年と交流を重ね、自身の過去と向き合いながら、貴湖はこれまで考えることのなかった未来へと一歩を踏み出していく。
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『正欲』朝井リョウ (著)

私立小学校に合格したが不登校になってしまった息子の父親であり、検事である寺井啓喜。男性恐怖症だが、怖さを感じない男性の存在に心ときめく女子大生・神戸八重子。ある秘密を抱えなるべく人と関わらないようにしていたが、同窓会で気になっていた同級生と遭遇した契約社員・桐生夏月。多様性を主張しながら踏み込んでこようとする世間や周囲から逃れることもできず、苦しみながらも生きる道を模索していくそれぞれの姿を描く。
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『持続可能な魂の利用』松田 青子 (著)

男性社員から嫌がらせを受け、会社を辞めて無職になった敬子。街頭ビジョンに映ったアイドルグループに夢中になる。日本の女の子たちに求められる、笑顔、従順。おっさんたちから向けられる視線や無意識の悪意にがんじがらめになった女たちが、アイドルが、そんな日本をぶっ壊す!?
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『個人的な体験』大江 健三郎 (著)

広大なアフリカの地をいつか旅してみたい。そんな夢を抱いていたバードだが、生まれてきたわが子を見て恐怖感に囚われた。脳に異常を持った嬰児は大学病院へと移されるが、息子の死を願いながら旧知の友人、火見子と体を重ね、自ら禁じていた酒に手を出し、背徳と絶望の日々を送っていた。わが子にふりかかる運命を受け入れることに迷い、その生と死の間で揺れ動く様を描く物語。
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『透明な夜の香り』千早茜 (著)

坂の上の森を抜けた洋館で掃除や雑用のアルバイトとして採用された一香。雇い主である小川朔は、人並み外れた嗅覚を持つ調香師であり、彼の幼馴染の探偵・新城とともに、客が望む様々な「香り」を作り出していた。あらゆる香りを嗅ぎ分け、記憶し、忘れることがないという朔は、その能力ゆえに深い孤独を抱えることに一香は気づく。