問題なのは仕事内容?制度?それとも人ですか?

『ひよっこ社労士のヒナコ』 水生 大海 (著) 文春文庫

あらすじ

新米社労士の朝倉雛子、通称「ヒヨコ」はやまだ社労士事務所に勤める二十六歳。クライアント先に出向き、話を聞いたり、人事や給与、社会保険関係の書類を作成したりしている、そんなヒヨコのもとへ、自己都合で退職した社員が解雇にしろと訴えかけてきて…。

社労士のヒヨコのもとにくるお仕事の内容とは

社労士とは、社会保険や雇用など労務についての専門家であり、国家資格です。難関を突破し、晴れて社労士となったヒヨコのもとには様々な相談が持ち込まれます。

退職した社員が、失業保険をすぐにもらいたいから解雇にしろ、と言ってきたり、社内で初めて妊娠した女性のために制度を整えようとしているIT社長が「育児休暇なんてあり得ない」と言っていたり…。

まとめ

まさに現代の働き方をリアルに反映した短編集です。ただ問題を解決するのではなく「なぜこうなったのか」というミステリー仕立てで根本的な問題を見つけ出すというところが、固い労務問題も飽きることなく惹きつけさせてくれます。

時に歯がゆい思いをしながらも、働く人たちの力になろうと奮闘するヒヨコにエールを送りたくなる、そして労働関係についても勉強になる物語です。

<こんな人におすすめ>

社労士の仕事内容に興味がある
現代社会の仕事にまつわる問題を描いた話を読んでみたい
水生 大海のファン

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