『フィリグリー街の時計師』
ナターシャ・プーリー (著) ハーパーコリンズ・ ジャパン
あらすじ
1883年、ロンドン。内務省に勤める孤独な青年サニエルは、下宿部屋に見覚えのない懐中時計を見つける。半年後、テロから彼を救ったその時計を調べるサニエルが巡り合ったのは、天才時計師と名高い日本人、モウリという男だった。
謎に満ちた日本人時計師、モウリ
職場と役所を往復するだけの冴えない日々を送るサニエル。謎に満ちた日本人、モウリと出会うことで、次第につまらない日常も色付いていきます。
モウリは当時のイギリスでは珍しく、訛りのない英語を話し、身なりも良く、素晴らしいカラクリを作ります。当時のイギリスにおける東洋人の扱い、日本人街の様子。その時代背景や街の様子がモウリという男の存在の、謎めいた部分をいっそう引き立たせています。
まとめ
爆弾を作った犯人を探すミステリかと思いきや、物語は思わぬ展開へと向かいます。運命の流れに振り回されながらも、最終的に望んだものを手に入れたサニエル。実は運命を御していたのは彼だったのかも。景色や部屋の色、気温。そして登場人物の表情までものが浮かんでくるような、映画を見ているかのような物語です。
<こんな人におすすめ>
1800年代のロンドンの様子に興味がある
当時のイギリスにおける日本人(東洋人)の扱いに興味がある
かっこいい日本人が活躍する話が好きだ
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