『敬語で旅する四人の男』 麻宮 ゆり子 (著) 光文社文庫
あらすじ
友人でもなく、仲良しでもないのになぜか一緒に旅に出る4人の男。旅先で出会うそれぞれの再開、別れ、出会い。他人の事情に踏み込み過ぎない男たちの、付かず離れずな距離感が心地よい連作短編集。
真面目さゆえに他人に振り回されがちな真島、バツイチの研究者・繁田。彼女の束縛に悩む仲杉。変わり者のイケメン、斎木。
あるときは、真島の母親へ会いに、またある時は繁田の別れた妻の元へ、彼の息子に会うために。ゆるいつながりの彼らは、敬語を使いつつ、しかしリラックスしながら旅をします。
時おりあらわれる個人的な問題について、互いに必要以上に踏み込むことをせず、後ろからそっと見守っている様子がいいのです。
まとめ
ただ、ここに爆弾を投入するのが斎木。彼の強いこだわりは時に周囲を困らせたりしますが、誰も口に出せない真実をスパッと切り出すその姿は爽快でもあります。
4人の男が、旅をしながら気づき、ある時は何かを得、ある時は失う。20〜40代の彼らの人生と、緩やかな絆が心地よい物語です。
<こんな人におすすめ>
男同士のゆるやかなかかわりや友情の話が好き
少し複雑な事情を抱える人の話を読みたい
人のやさしさを感じる話が好き
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