『人形たちの白昼夢』 千早 茜 (著) 集英社文庫
あらすじ
私を拾ってくれたのは赤い服を着た女だった。彼女が遺した赤ん坊を連れて、私は森へ入った。(「プッタネスカ」)
ある山にヌカラと呼ばれる少女がいた。マムウという獣を狩ることができるのは彼女だけだとされていたが、ある時外国から貴族がやってきて…。(「ビースト」)
美しく幻想的で残酷な世界の中に、澄んだ青がくっきりと浮かび上がる。
様々な色を持つ背景から浮かび上がる、くっきりとした「青」
人を殺す人形、罪人たちが生活する世界、お茶のポットから見た持ち主など、おとぎ話のような、不思議な世界が現れます。
雪の白、暗い闇、不穏な灰色、血の赤。そうした色を持つ背景の中に、青い色のものが象徴的に登場します。
それは危険な世界へ導くものなのか、それとも求めても手に入らない安息の世界への入り口なのか…。
まとめ
研ぎ澄まされた感性で、硬質でありながらもハッとするような差し色が加えられる、夜空に浮かぶ星のような静謐で美しい物語です。
<こんな人におすすめ>
美しく、残酷な世界を描いた話を読んでみたい
大人向けのファンタジーを読みたい
千早 茜のファン
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