のこ
こちらは江戸末期の浮世絵師を
描いた物語よ。
ぬこ
おっ!なんか有名な絵師か?
安藤なんとかやら歌川どうとか?
のこ
そうね、歌川国芳の弟子なのだけど
ヒットに恵まれなくて、後輩に
先を越されているような状況の絵師よ。
ぬこ
え〜 なんか残念な…
そうした絵師たちの暮らしぶりとか
生き方はどんなものだったのかな?
『おもちゃ絵芳藤』 谷津 矢車 (著) 文春文庫
あらすじ
大師匠である歌川国芳が亡くなり、門下生たちが弔いに集まった。若頭格である芳藤は真面目で弟弟子たちからの信頼は厚いが、自身の絵は全く売れないでいる。自信満々の芳幾や天才肌の狂斎などの弟弟子を前に複雑な心境でいる。そうした才能を横目に、芳藤は子供用の玩具絵を描き続ける。
師匠が亡くなり、師匠が何としても残したいと言っていた国芳塾を続けようと、あちこちに声をかける芳藤。自身が継げれば良いのですが、名も無き絵師のもとで学ぼうという者はいないのです。丁寧な筆運びだが、人を惹きつけるものがない。そして、新人のやることとされる、子供用の玩具絵を描くのです。
まとめ
真面目で人が良いが、絵は面白みに欠ける。そんな風に評価され、自覚もしているけれど、絵への想いは捨てきれず、名も残らないような仕事を続ける藤吉。しかし、時代が江戸から明治へと代わり、人々の絵に対する認識も変わります。そこで得られる芳藤への評価に、持ち続けた情熱は報われるのだと思わせてくれる、胸が熱くなる物語です。
<こんな人におすすめ>
うだつのあがらない浮世絵師を描いた物語に興味がある
江戸時代後期に生きた浮世絵師の様子に興味がある
谷津 矢車のファン
リンク
ぬこ
神様は見てるんだな!!
時代もまた良かった。
のこ
夢を諦めずに追い続けること、
情熱を持ち続けることの大切さを
教えてくれるわね。
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