のこ
こちらはある悩みを抱える
夫婦の物語よ。
ぬこ
どんな悩みが？
のこ
妻が夫に暴力をふるってしまうの。
夫は全く抵抗しない。それで妻の方が
自分はおかしいのでは、と悩むの。
ぬこ
なるほど。それは互いのためにも
何とかしたいところだが…。
『繭』 青山 七恵 (著) 新潮文庫
あらすじ
33歳で自分の店を持つ美容師の舞は、結婚して１年になる夫、ミスミがいる。
舞は、ミスミに振るってしまう暴力に悩んでいた。ある日、店の客で同じマンションの住人である希子と知り合い、二人は交流を重ねるが、希子はある秘密を持っていた。
優しい夫に、ふとしたきっかけで暴力をふるってしまう舞。
夫のミスミは一切抵抗せず、舞を責めることもありません。
自分はおかしいのでは、と悩む舞は希子という女性と知り合います。
舞の様子を心配して部屋をたずねた希子が目にした光景とは。
まとめ
舞とミスミは共依存の関係にあるようです。しかし、だんだんとそのバランスは崩れていき、暴力を振るっている方の舞が苦しみ、ミスミから逃れようともがいています。
希子もまた、求めても手にできない恋人との関係に苦しみます。
幾重もの糸でがんじがらめにされ、繭の中に閉じ込められた者たちの息が苦しくなるような愛を描いた物語です。
＜こんな人におすすめ＞
DVなど歪んだ愛を描いた物語に興味がある
愛の形ももがき、苦しむ物語を読んでみたい
青山 七恵のファン
リンク
ぬこ
苦しい愛情というのも
あるものなんだな…
のこ
歪んだ愛に絡め取られ、
身動きのできない姿を描いた
苦しくもせつない物語ね。
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