ひとりだから見える、感じられる「ひと」とのつながり

のこ
のこ

こちらは両親を亡くした青年が

あるお惣菜屋さんでの出来事から

不思議な縁が生まれていくお話よ。

ぬこ
ぬこ

そりゃ大変だなあ。

まだ若いのか?

のこ
のこ

20歳の大学生だったのだけど

大学をやめて、お惣菜屋さんで

働き始めるの。

ぬこ
ぬこ

そうかあ。足場がなくなったように

感じる状況で、どんな人と関わり合って

いくんだろうな。

『ひと』 小野寺史宜 (著) 祥伝社文庫

あらすじ

三年前に父親を亡くし、鳥取で一人暮らしをしていた母が突然亡くなったという連絡を受けた大学二年生の柏木聖輔。

東京から鳥取へ行き、母の葬儀を済ませた聖輔は大学を中退し、就職のあてもなく過ごしていた。

そんな時、ふと立ち寄った惣菜屋で、五十円のコロッケを見知らぬお婆さんに譲ったことから、不思議な縁が生まれていく。

両親がなくなり、大学の学費を払うことも難しいため、中隊を選んだ聖輔は、惣菜屋「おかずの田野倉」から漂う揚げ物の香りに誘われ、五十円のコロッケを1個買おうとします。

しかし、お婆さんに譲ったためにコロッケは終了。

そんな聖輔に、店主は百二十円のメンチを五十円に負けてくれました。

その味をかみしめ、聖輔はここで働くことに。

アルバイトとして働きはじめた聖輔は店主夫婦や従業員たちとの間で信頼関係を築いていきます。

大学時代の友人や、バンド仲間、鳥取時代の高校のクラスメイトなど、多くの人が聖輔を気にかけ、力になろうとします。

聖輔はそんな人たちに甘えすぎないように気を使いながら、一方で亡くなった父が東京で働いていた時の様子について調べはじめます。

そこには聖輔の知らなかった料理人としての、人間としての父の姿がありました。

まとめ

あらゆることを受け入れることに馴れてしまった聖輔。

しかし、周囲の人々の気遣いをしっかりと感じ、受け止め、感謝しています。

ひとりだからこそ感じられる人とのつながりに胸が熱くなる物語です。

<こんな人におすすめ>

人とのつながりや絆を描いた話を読んでみたい
天涯孤独の身となった青年の生きていく姿を描いた話に興味がある
小野寺史宜のファン

ぬこ
ぬこ

おおおお〜…(இдஇ; )

人っていいなあ…

のこ
のこ

人が生きていくにはこうした

つながりがとても大切で

ありがたいものなのよね。

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