こちらは華人とフランス人のハーフの
パティシエールが清国で料理人見習いとして
励む物語よ。
その時代の清国なんて
外国人の存在は相当珍しいだろうな。
厨房だって男性しかいないんだろう?
そうね。ただ雇い主である永璘の
お墨付きなので、周囲もあからさまに
嫌がらせなどはしないようだけれど
馴染むまでが大変なようね。
それからフランスのお菓子を
清国でどうやって作るのかも
気になるなあ。
『親王殿下のパティシエール』
篠原悠希 (著) ハルキ文庫
あらすじ
華人移民の母とフランス人の父との間に生まれたマリー・趙は、ひょんなことから中国・清王朝の皇帝の第十七皇子・永璘お抱えの料理人見習いとして働くことに。
男性厨師(シェフ)ばかりの御膳房で、マリーはパティシエールとして独り立ちできるのか。
フランスから清国へとやってきたマリー
母に教わり、北京語が話せるマリーは、フランスで永璘の通訳をしたりしていました。
そのとき、フランス革命が起こり、全てを失ったマリーに、永璘は北京へ来ないかと声をかけます。
そうして、北京城内の永璘の住む慶貝勅府で、菓子や軽食を担当する糕點厨師の見習いとなります。
マリーの見た目や永璘が連れてきた、という立場から、マリーは周囲から浮いていました。
しかし、男性にも負けずに雑用をこなし、そこにある材料と器具を使って何とかフランス風のお菓子が作れないかと工夫をこらします。
その姿と珍しいお菓子に周囲も次第に彼女を認めてきます。
まとめ
制限や決まりごとの多い環境の中で、マリーははつらつと、率直に、仕事に情熱を持って取り組んでいきます。
皇子である永璘の家族や宮廷の駆け引きもあり、異文化から来たマリーが見せる対応が新鮮でもあり、周囲の人々の心を掴んでいるようです。
そんな清国とフランスの違いやそれをつなぐマリーの努力とアイデアを楽しめる物語です。
<こんな人におすすめ>
中国・清王朝の厨士見習いとして頑張るフランス人パティシエールの話を読んでみたい
フランスのお菓子を中国でどのように作るのか興味がある
篠原悠希のファン
ちょっとヒヤヒヤするところも
あるけど、仕事に真摯に向かう
マリーを応援したくなるぜ!
清国の人々の暮らしぶりなども
よくわかる物語ね。
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