愛すること、生きること、死ぬことを刺さるような言葉で綴る

のこ
のこ

こちらは「生」や「愛」に

一線を置いている男性が

自分の内面に迫っていく物語よ。

ぬこ
ぬこ

ほほう。

「生」や「愛」に一線を置いているとは。

ちょっとやさぐれた男なのか?

のこ
のこ

東大卒で大手出版社勤務、

美しい恋人を持ちながら、

複数の女性と関係を持っているの。

ぬこ
ぬこ

ええ〜…

頭の良いクズってこと?

でも自分の内面に目を向けることが

できるっていうのは大したもんだな。

『僕のなかの壊れていない部分』

白石 一文 (著) 文春文庫

あらすじ

東大卒、大手出版社勤務、29歳の僕は、美しい恋人、枝里子と京都へ向かった。

彼女の昔の男が住むこの地で、どのような反応を見せるのか。

理屈っぽくて、記憶力が抜群に良く、そして誰とも心の距離を近づけようとしない。

そんな僕の内面に潜むものは絶望か、それとも渇望か。

道行く人が振り返るような美貌を持つ枝里子。

小さな子供を一人で育てているバーのママ、朋美。

どこまでも快楽を追求する人妻、大西夫人。

三人の女性と関係しながらも、心まではつながろうとはしない僕。

世の中を斜めから眺め、「愛」に対して怯え、鎖ながらも、激しく求めているようです。

そんな僕を揺さぶるような、母親の死、そして若き友人の罪。

まとめ

自分の「生」の喜びを享受することができず、生きること、愛することに力を入れる人間とは決定的に違う僕は、「生かされている」自覚を誰よりも強く持っているのかもしれません。

<こんな人におすすめ>

愛に絶望を感じている男を描いた物語を読んでみたい
愛や生死について深く鋭い言葉で綴る話に興味がある
白石 一文のファン

ぬこ
ぬこ

嫌なやつだな〜。でも相手を

バカにしながら自分を殴っているような

印象も受けるな。

のこ
のこ

そうした言葉たちが

読者の心に棘のように刺ささるのよね。

逃げることのできない「生」の苦しみと

得がたい「愛」の喜びを描く物語ね。

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