こちらは眠っている間の夢の世界と
現実の世界がリンクしていくお話よ。
ファンタジーものでは
よくあるよな。
伊坂作品だけあって趣向を凝らした
内容になっているわ。バンド・デシネ風の
イラストで、夢の中の世界が描かれているの。
文庫本だけど漫画風の挿絵が
入ってるってこと?
そいつはおもしろそうだな。
『クジラアタマの王様』伊坂幸太郎 (著) 新潮文庫
あらすじ
製菓会社で働く岸は、先輩のピンチヒッターとしてお客様サポートに再び配属。
人気商品に画鋲が入っていた、という1本のクレームからはじまり、様々なトラブルに巻き込まれる。
多くの非難や強い悪意をぶつけられ疲弊する岸の前に、一人の議員が現れ、事態は変化していく。
彼らにはある「繋がり」があった。
夢の中でともに戦っていた?
人気ダンスグループのメンバーがテレビでコメントしたことにより、たちまち受注が増えた岸の会社の商品。
喜んだのもつかの間、今度は同商品に画鋲が混入していた、というクレーム電話が入ります。
SNSでも拡散されたため、会社は記者会見を開きますが、状況を理解しきれていない役員の発言により会社はバッシングの嵐。
執拗なマスコミ取材に怒りすら感じていた岸ですが、状況が一変。
騒ぎは解決し、会社のイメージアップにすらつながります。
この騒ぎをきっかけに岸は都議会議員の池野内と会うことに。
彼が語る奇妙な夢の内容に首をかしげつつも、どこか理解している自分を感じる岸。
池野内によれば、彼らは夢の中で会っていて、ともに敵を倒している。
うまく倒せば現実でのトラブルも解決する、と言うのですが。
まとめ
夢の世界でタッグを組んで敵と戦う彼らは、現実においてもサラリーマンであったり、議員であったりとそれぞれの立場で戦っています。
人の発言を勝手に解釈して広めたり、場違いな正論を振りかざして言葉の刃をつきつけたりと現実の世界の問題点を伝える部分も。
現代を生き抜くお仕事小説として、また夢の中で戦う冒険小説としても楽しめる、エキサイティングなエンタメ小説です。
<こんな人におすすめ>
夢と現実の世界がリンクした物語を読んでみたい
現代社会の問題をあぶり出す話に興味がある
伊坂幸太郎のファン
かーっ!!あるよなー
マスコミのゴリ押しとか顔もわからん
奴らからのバッシングとか。
夢の中の戦いも厳しいけど現実も
面倒で困難なことがあるな。
現代社会の問題を伊坂さんの
軽快な会話と展開で描きつつテンポよく
物語は進んでいくわ。一気読み必至の
エンタメ小説ね。
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