こちらは「しゃばけ」シリーズ
第20弾よ。龍神の騒ぎに巻き込まれた
一太郎が赤ん坊になってしまうの。
ええっ 赤ん坊に!?
大変じゃないか。元の姿に
戻れるのか??それと誰が
一太郎の世話をするんだ?
成長のスピードは普通の人間
よりもとても早いの。人目に
つくのは問題だからと今の住まいから
離れた場所に移動して妖たちが
小さな子供のお世話に励むのよ。
赤ん坊の一太郎を鳴家が
あやすとか…?
想像だけでいきなり癒されて
きたんだが。
『もういちど』畠中 恵 (著)新潮文庫
天の星が代替わりする時、日本中が日照りに見舞われた。
雨乞いの祈祷が行われ、隅田川にも数々の龍神が現れるという。
避暑のために川を利用した一太郎は龍神の騒ぎに巻き込まれ川の中へ。
気がつくと一太郎は赤ん坊の姿になっていた。
赤子からもう一度成長していく一太郎と、彼の世話をしながらその姿を見守る妖たちの物語。
若だんなが赤ん坊になっちゃった!?
お供えの酒を飲みすぎて暴れた龍の巻き添えになったうえ、落ちた水の中ではちょうど星の代替わりが行われていたようです。
そこに近づきすぎた一太郎は巻き込まれひどく若返ってしまったのです。
意識はあるけれど言葉は出ず、手足も思うようには動きません。
妖たちは泣き出す一太郎にあたふたしながら、オムツかお乳か、と懸命にお世話をします。
河童の大親分、禰々子からは元の姿に戻れるかもしれない薬を預かりましたが、赤子の一太郎は飲もうとしません。
成長のスピードが早いこともあり、妖たちが人目を避けつつお世話していくことに。
赤子から幼児、少年へと成長していく一太郎は盥に乗って川に流されてしまったり、少し年上の友達ができたり、剣術の稽古をしたりと様々な事件に巻き込まれつつも、これまでにない体験を重ねていきます。
そしていよいよ元の姿に戻った一太郎が迎える日々とは。
まとめ
寝付く姿がデフォルトの一太郎ですが、今回赤ん坊から「育ちなおし」をしていく過程では薬を飲むことも倒れることもなく元気いっぱい。
冒険をしてみたり、アクティブに剣を振ってみたりと、兄やたちの言うことを聞かずに「行動」していく姿が何とも新鮮。
一太郎の目の輝きが見えるようです。
そんな一太郎の姿を見てハラハラし、時に目を細める妖たちの愛情深い様子にほっこり。
今までにない体験を続けてきて元の姿に戻った一太郎。
これまでの日常がある安堵と共にちょっぴり切ない思いも。
妖たちといっしょに一太郎を育てる側の目線で楽しめるあたたかな思いに心が満たされる、シリーズ第20弾です。
<こんな人におすすめ>
一太郎が赤ん坊から「育ち直し」をする物語に興味がある
『しゃばけ』シリーズのファン
畠中 恵のファン
やんちゃな一太郎って新鮮!!
お世話する妖たちと
いつもと違ったやりとりがいいな。
一太郎は普段病弱だからこそ
健康な体を全力で楽しむのよね。
一太郎にとっては大切な、ひとときの
冒険だったのかもしれないわね。
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