こちらは江戸の谷中にある動物専門の
養生所に連れてこられた動物たちと
飼い主の様子を描く物語『お江戸けもの医
毛玉堂』の第二弾よ。
おお〜 江戸のペット事情が
よくわかる話だよな。
今回はどんな動物がやってくるんだ?
猫や犬、そして珍しいものでは
オウムもいるわね。
へええ!オウムが!?
犬や猫たちもどんな状態で
やってきたのか気になるな。
『玉の輿猫 お江戸けもの医 毛玉堂』
泉 ゆたか (著) 講談社文庫
あらすじ
谷中感応寺の境内にある動物専門の養生所「毛玉堂」。
口数が少なく愛想はないが、見立ては確かな医師の凌雲と、動物好きの妻、お美津の二人で営むこの養生所には、様々な状態の動物とその飼い主が助けを求めてやってくる。
大店に嫁入りした時にいっしょに連れてきた猫がおかしな足運びをする、自分の羽をむしってしまうオウム、元気が良すぎる犬とのんきな飼い主、そして賢犬堂なる場所から引き取ったという犬たちの違和感…。
人々と動物の愛と絆を描く五篇の時代小説集。
玉の輿婚についていった美猫の不調
飼っている猫が足を引き摺って辛そうにしているので、家に来て見てほしい。
千紗と名乗る女性は言いました。
早速向かおうとする凌雲に、千紗は殿方を家に上げるわけにはいかないと主張し、かわりに美津がいくことに。
長屋暮らしだった千紗は、日本橋の呉服屋の若旦那に見初められ嫁いできたとのこと。
猫の白魚が暮らす部屋も広くて物も少なく、スッキリとしています。
お美津から見ても白魚の足運びはおかしいのですが、原因がわからないため翌日改めて毛玉堂につれてきてもらうことに。
しかし毛玉堂にやってきた白魚は興奮して逃げ出し、庭の木の上に…。
なんとか捕らえた白魚の足の肉球に赤い点がついていたのです。
これを目にした凌雲の見立てとは。
まとめ
自分の境遇にばかり目を向けていると、大事な相棒である動物の状況に考えが及ばなかったり、あるいは人間の思い込みで動物にとって幸せとは言えない対応をしてしまうことも。
江戸のけもの医とは、そんな人間の目線をフラットな状態に導き、人と動物が共に幸せに、心地よく過ごすための橋渡しをしてくれる存在なのかもしれません。
<こんな人におすすめ>
人とペットとの関わり方を考えさせられるような物語を読んでみたい
前作『お江戸けもの医 毛玉堂』を読んだ
泉 ゆたかのファン
ペットはさ、かわいがればいいって
もんじゃないんだよな。それは
江戸の時代も同じなんだな。
良かれと思ったことが必ずしも
動物たちにとって良いこととは限らないのよね。
人間とペットの関わり方についても
考えさせられるわね。
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