
こちらは早稲田大学四年生の早乙女香夏子と
彼女に関わる様々な女子大生たちが
悩みながら成長していく姿を描く物語よ。

女子大生ねえ。大学別に
何となくその女性に持つ
イメージがあるかも。

そうね。早稲田の香夏子は
頭が良くて女子力低め。恋の
ライバルの日本女子の子は
作り込んだゆるふわ系、と
いったカンジかしら。

なんかわかるなあ。
ある意味彼女たちが関わることで
どんな化学反応が起こるのか
興味あるな。
『早稲女、女、男』柚木麻子 (著) 祥伝社文庫
あらすじ
早稲田大学四年の早乙女香夏子は出版社への就職が決まり、所属している演劇サークルで祝いのコンパに参加。
そこで腐れ縁の彼氏で留年を繰り返す脚本家志望のダメ男、長津田にゆるふわ系の後輩女子が接近し動揺を隠せない。
さらに内定先の紳士的な先輩に告白され…。
不器用で面倒臭いザ・早稲女の香夏子と、彼女と関わる五人の女子たちが傷つきながら成長していく姿を描く青春物語。
不器用でめんどくさい早稲女の恋愛事情
化粧っ気がなく、男子学生を見れば議論をふっかける、女として見られない「早稲女」の香夏子はアルバイトをしていた出版社への就職が決まります。
サークルでお祝いのコンパをしてくれることになり、私立女子校時代の親友で立教大学に通う三千子とともに店に行くと、香夏子の彼氏である長津田のそばには日本女子大学一年のゆるふわ系女子、麻衣子がいました。
脚本を一度も書くこともなく演劇サークルに属し、留年を繰り返しているダメ男、長津田のどこがいいのか。
まんざらでもない様子の長津田の姿に怒り心頭の香夏子は、飲みまくり荒れます。
そして三千子に、内定先の先輩に告白されたことを打ち明けます。
そっちと付き合えばと言う三千子に「あんな好い人が私のことを好きなんて、そもそも話が上手すぎると思わない?何か裏がある気がするんだよねえ」とふざけたことを言い出す香夏子。
でも本人はいたって真面目に発言しているようで…。
まとめ
まっすぐすぎて勢いよく壁にぶつかってはまた走り出していく、そんな不器用な香夏子は女子力が一切ない自分にコンプレックスを抱いていて、それが妙な形で表に出てきたりします。
そんな彼女を女子校時代からの親友・三千子、恋のライバルで日本女子大の麻衣子、妹で学習院大学の習子、内定先の先輩で慶應卒の亜衣子、旅先で知り合った青学のみなみとそれぞれの視点からその関わりを描いていきます。
年齢や立場による価値観の違いが明らかになりますが、香夏子は自分の軸が全くブレることがなく、逆にそのせいで頑固だったり融通がきかないととられる部分もあったり。
そんな彼女を見ながら自分の内面をあらためて見つめ直し、そして問題に立ち向かい成長していく女子たちの姿に、すっきりとした読後感と元気をもらえる物語です。
<こんな人におすすめ>
男、女のほか「早稲女」という性別の生き物に興味がある
大学を擬人化したキャラたちが傷つきながら成長していく物語を読んでみたい
柚木麻子のファン


おもしろい!頭脳もガッツも
優れているのに不器用すぎる
香夏子がいいんだよな。

流されることを良しとしない、
強情ともまっすぐとも取れる
香夏子に周りの女性たちも
ふと自分を見つめ直してみたく
なるのよね。
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