こちらは日本昔ばなしの世界で起こる
事件の謎を解く日本昔ばなしミステリの
第二弾よ。今回は『おむすびころりん』
『わらしべ長者』などのお話の中で
事件が発生するわ。
どちらもまあ オリジナルは
「めでたしめでたし」で終わるよな?
ミステリになるといったいどんな事件が
起こるわけ?
意地悪じいさんがネズミの世界で
何度も元の世界に戻ってしまうの。
何度かネズミの世界に訪れるうち
そこでは一匹のネズミが殺される
事件が。
何とSF要素まで加わっていくのか!!
何度も戻ってしまう理由も
ネズミ殺しの犯人も気になりすぎる!!
『むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。』
青柳 碧人 (著) 双葉文庫
あらすじ
日本昔ばなしの世界で起こる謎解きミステリがふたたびやってきた。
欲張りなおじいさんが何度も穴に転がり落ちる「おむすびころりん」、貧乏な半太と物を交換した人たちが何故か同じ男を殺したと主張する「わらしべ長者」など、その話ならではの謎と舞台設定による推理が楽しめる驚きの日本昔ばなしミステリ第二弾。
ネズミの穴で繰り返される謎と事件の真相
おむすびを穴に転がしたらねずみに「望みのものが手に入る袋」をもらい、金銀財宝を手に入れた米八。
それを知った惣七は自分もその袋を手に入れようとおにぎりを転がし穴の中へ。
さっさと袋を手に入れて帰ろうと猫の声まねをすると、ねずみたちはパニックになり明かりも消えて辺りは真っ暗に。
メリメリっと音がしたかと思うと、惣七の上にやぐらが倒れてきました。
ぶつかる!とおもったその時、遠くで鐘の音が…。
目が冷めると惣七は山の中。
おにぎりを転がす前の状態に戻ったようです。
今度こそ、と再び穴に入ると蔵の中で一匹のねずみが首を締められて死んでいるのが発見されます。
この騒ぎの間に袋を持ってずらかろうと惣七が扉を開くとまたメリメリっと音がして…。
気がつけばまた山にいる惣七はネズミ殺しの犯人をつきとめようとします。
また、わらしべ長者の屋敷では月に一度客人を招きます。
そこでは長者が自分がどのように今の財を成したかを語り、また客から珍しい話を聞くのだと言います。
村役人の山の栗蔵は「別々の人物に、三回殺された男」の話を始めます。
話を終えると、同席していたもう一人の客、小牧老人が「このお役人のたどり着いた真相とやらを当てさせてはもらえまいか」と申し出て…。
まとめ
密室で起こる殺害事件、何度も殺される男、語り継がれてきた話の真実、そして交換殺人。
「竹取物語」「おむすびころりん」「わらしべ長者」「猿蟹合戦」「ぶんぶく茶釜」の中で起こる奇妙な事件たち。
予測不可能な展開とその推理は大きな驚きとともに胸にストンと落ちます。
二重三重に織り込まれた仕掛けが見事で、昔ばなしでありながら高度なミステリが成立しているというウルトラC的なおもしろさ。
日本昔ばなしの新しい楽しみ方に出会えるミステリ第二弾です。
<こんな人におすすめ>
日本昔ばなしをテーマにした秀逸なミステリを読んでみたい
前作『むかしむかしあるところに、死体がありました。』を読んだ
青柳 碧人のファン
前作『むかしむかしあるところに、死体がありました。』のイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。
全く予想つかない結末も
あるんだけど「なるほど
そうきたか!!」って
感心しちゃうぜ!!
緻密に練られた設定と
世界での条件に加え
さらに巧妙なトリックが。
日本昔ばなしの新しい
楽しみ方に出会えるかも。
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