『スター・シェイカー』
人間 六度 (著) ハヤカワ文庫JA
こちらは移動手段がテレポートと
いう近未来社会で、ある組織から
逃げてきた少女を守り敵と対峙していく
青年のお話よ。
え!テレポートで移動!?
車や電車、飛行機はいらないって
わけか。便利なような気もするが。
人類は誰もがテレポート能力を
持つことが発見され、その力を
生かして時間をかけずあちこちの
場所へといくことが可能になったの。
でも主人公の勇虎はある事故を
きっかけにその能力を失ってしまうの。
テレポート能力がないけれど
追われている少女を守ることが
できるのかな?
あらすじ
二十一世紀晩年。
人類がテレポート能力に目覚め、これを移動手段とする「テレポータリゼーション」社会が到来。
事故によりテレポート能力を失った赤川勇虎はブリキのダストボックスの中に潜んでいた少女・ナクサを発見。
違法テレポートで麻薬を密輸する組織から逃げてきた彼女を匿い、共に追われることに。
未知のエリアに住む人々の力を借り、逃亡を続ける勇虎は超越的な能力に目覚め、そして敵の本当の目的とこの世界の根幹を揺るがす重大は秘密を知る。
テレポータリゼーション社会に隠された秘密
人は誰でもテレポート能を持っていることが判明し、数々の事故や実験が行われ、ようやくテレポートが実用化されると、またたく間にテレポータリゼーション社会が整備されました。
人々をWBと呼ばれる箱に載せ各地へと運ぶ職業テレポーターをしていた勇虎。
仕事中に事故に遭い、その能力を失います。
ある夜、街を歩いているとブリキのダストボックスから音がします。
開けてみると中には少女の姿が。
褐色の肌、艶やかな銀の髪、そして真紅に染まった瞳。
ナクサと名乗る少女は「ペネトレーター」。
重力に逆らってテレポートできる能力があり、その力は常人と桁違いのレベル。
その能力を生かし、麻薬の密輸を行っていたのですがそこから逃げてきたのだと言います。
ナクサを取り戻すために組織から並外れた能力者が次々とやってきます。
必死に逃げるうちに勇虎は虚空にテレポートすることに成功。
しかし体は大きなダメージを受けます。
彼らを助けてくれたのは空の上にある、テレポートせず車やバイクを乗り回す高速道路が存在する世界の人々。
地上では失われつつある道路や車などを使って移動する彼らの協力を得て二人は移動し、そして勇虎は自分の力を鍛えていきます。
やがて勇虎は敵の本当の目的とこの世界の秘密を知り…。
まとめ
移動手段はテレポートという未来。
移動に距離は不要のため道路も機能しなくなり、建物は上へ上へと高くなり、地上に近づくほど住居の価格は高くなる社会。
そんな中、少女ナクサと能力に目覚めた勇虎が追ってくる超能力者達と戦っていきます。
やがて明らかになるこの世界の秘密は、現在のテレポート社会と深く関連するものでした。
戦闘シーンやテレポート中心の世界観、手に汗握るクライマックスなど、ハラハラドキドキが止まらない、ノンストップで楽しめるSF小説です。
<こんな人におすすめ>
テレポート能力に目覚めた人類が移動手段として活用している未来を描いたSFに興味がある
脅威のテレポート能力を持つ少女とともに組織から逃げるアクション物語を読んでみたい
テレポート社会がもたらしたこの世界の根幹を揺るがす秘密を描いた物語に興味がある
テレポータリゼーション社会の
移動手段っておもしろいなあ。
世界の秘密にはびっくりさせられたけど
読後感がかなりいい!!
移動手段が現代と全く異なる
社会で起こる問題や犯罪が
リアルに描かれているわね。
SFに戦闘シーンなど見所が
盛りだくさんなノンストップで
楽しめる物語ね。
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