『復讐は芸術的に』三日市 零 (著) 宝島社文庫
こちらは依頼を受けて合法的に
復讐をする『合法復讐屋』を
描く物語第二弾よ。
小さな飲食店の店主が人気の
グルメ系Youtuberから嫌がらせを受け
エリスに復讐を依頼するの。
人気のYoutuberの嫌がらせ?
そいつ性格悪いなあ。
小さな店なら客が来なくなって
まずいことになるんじゃないの?
そうなの。依頼を受けたエリスは
準備を進めると同時に、店主にも
三つの指示を出すの。
店主もただ復讐してくれるのを
待つだけじゃないってことだな。
今回のエリスはどんな風に
ヤツを叩きのめしてくれるんだろう?
あらすじ
元グルメ雑誌の編集長で忖度のないコメントで飲食店をめぐる人気のグルメ系Youtuber「モグ太郎」に目をつけられてしまった小さな定食屋「まる山」。
数々の嫌がらせを受けた店主の陽平は困り果て、「合法復讐屋」のエリスに仕返しを依頼。
法律の範囲内で証拠ひとつ残さないやり方で遂行されるエリスの復讐劇とは。
人気グルメ系Youtuberにロックオンされた小さな定食屋
生姜焼きが自慢の小さな定食屋「まる山」は常連客に愛される店。
しかし、人気Youtuberモグ太郎からの取材を断ったこと、モグ太郎のことを知らなかったことで怒りを買い、陽平は嫌がらせを受けるように。
チンピラ風の男がやってきて「虫が入っていた」と言ったり、声を荒げたりという行為が続きます。
たちまち常連客の足は遠のき、店は危機的状況に。
モグ太郎に直談判したものの「証拠はあんのか?証拠がなければ、何されたって文句は言えねぇんだよ!」と逆ギレされ事態はますます悪化。
店で鰆の西京焼きを食べていた美女から「困りごとがあるなら遠慮なくいらっしゃい」と名刺を渡されます。
名刺の住所をたずねると小学生の女の子が案内してくれ、さらに美女、ではなく美しい男性エリスが登場。
どうやら同一人物であることがわかり、驚き戸惑う陽平。
しかし、エリスの頭の回転の早さ、機転がきく様子から、事情を話してみることに。
モグ太郎への復讐の依頼を受けたエリスは陽平に三つの指示を出します。
店の内外に監視カメラを仕掛けるので、その業者対応をする、再度モグ太郎に電話で苦情を入れ会話を録音すること、そして何があっても店の営業は続けること。
準備を終え、いよいよ開始となった、法律の範囲内で相手に最大限のダメージを与える復讐劇の内容とは。
まとめ
店を廃業にまで追い込むような嫌がらせを続けるグルメYoutuberモグ太郎。
そんなモグ太郎のターゲットとなってしまった陽平は、嫌がらせの対応や売り上げの低下によって大きなダメージを受けます。
そんな倫理観の欠如した相手に「合法的」に斬り込むエリスは鮮やかに、小気味良く、そして完膚なきまでにモグ太郎を叩き潰します。
大胆かつ繊細に練られ、演じられるその復讐劇はまるで舞台を見ているよう。
依頼者には相手への復讐と、新たに自分の道を歩いていく力を与えてくれる美しい「合法復讐屋」エリスが活躍するシリーズ第二弾です。
<こんな人におすすめ>
逆恨みにより嫌がらせを繰り返す相手に徹底的に再起不能になるまで復讐する話に興味がある
前作『復讐は合法的に』を読んだ
三日市 零のファン
うおお〜 すげえ!!
容赦ない復讐劇に胸がスカッとするぜ!
復讐なんだけどやっぱりエリスは
正義の味方なんだよなあ。
依頼者がそこに囚われずに
前を向いて歩けるように
さりげなく促すところにも
グッとくる物語ね。
前作『復讐は合法的に』のイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。
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