こちらは企業の社外取締役に任命された
地下アイドルが会社を立て直すべく
奮闘する物語よ。
アイドルが取締役に!?
ずいぶん畑違いだけど大丈夫なのか?
ワンマン経営者の方針に社員たちは
振り回されてしまい粉飾会計や
データの改ざんを行なってしまうの。
ええ〜!?そんな問題の渦中に
投げ込まれるなんて!アイドルが
救世主になれるのか!?
『代表取締役アイドル』小林 泰三 (著) 文春文庫
あらすじ
地下アイドルの河野ささらは、握手会でファンが起こした騒動のせいで活動休止となった。
そんな中、巨大企業であるレトロフューチュリア株式会社から社外取締役のオファーが舞い込む。
古い感覚をふりかざす現社長とその息子、彼らが打ち出す非現実的な目標設定。
追いつめられた社員たちは粉飾会計やデータの改ざんを行う。
会社のことなどなにひとつわからない、全くの門外漢のささらは、会社を救うことができるのか。
地下アイドルが取締役に任命される!?
握手会で隣のブースにいたセンターのメンバーをファンが脅す出来事が起こり、警察を呼ぼうとしたささらですが、ナイフを持ったファンが逆上し、メンバーを傷つけてしまいます。
活動休止となり、アイドルをやめようと考えたささらに、マネージャー経由で大企業の社外取締役のオファーが入ります。
何でも社長がテレビで発言するささらを見てぜひに、ということのようです。
取締役会では皆から不審な目で見られますが「ナウいヤングの感覚が必要」という社長の一存で皆を黙らせます。
そして目標設定について意見を問われ、とりあえず「売上額一兆円で」と答えると「よっしゃ、それで行こ!」と社長が叫びます。
売上を十倍に、百億円事業立ち上げなど、次々と提示されるムチャな目標に社員たちは心の中で悲鳴を上げます。
そして粉飾会計やデータの改ざんが起こります。
まとめ
ワンマン創業者一族が、現状や現場の意見を聞かずに突き進んでいく様子はコメディを通り越してもはやホラーです。
決して力があるわけではないけれど、ささらが持つ「外から全体を眺める目」が会社を経営するために大切なのだ、ということを感じさせてれる物語です。
<こんな人におすすめ>
地下アイドルが突然会社の取締役になるお仕事小説を読んでみたい
頭の古いワンマン経営者の下で働く者たちの悲劇を描く物語に興味がある
小林 泰三のファン
うわあああ こんなトップのいる
会社で働きたくないよ〜(>д<*)
アイドルという畑違いの
ジャンルからの目線で取り組んだ
からこそ良かったのかもしれないわね。
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