
こちらは副業で殺し屋を請け負う
コンサルタントがターゲットに
まつわる謎を推理していく物語の
第四弾よ。

確か娘がいる女の殺し屋も
いたよな。今回も登場するのか?

そうね。ターゲットも関連のある
相手だったりすることも。それぞれが
依頼を受ける条件も微妙に違ったり
しているところにも注目ね。

ほうほう。いったいどんな依頼内容
だったんだろう。それとターゲットの
謎も気になるぜ。
『夏休みの殺し屋 』石持 浅海 (著)文春文庫
あらすじ
コンサルタント業の副業として、またECサイト運営の副業として殺し屋稼業を営むう富澤充と鴻池知栄。
二人のもとに来る殺害依頼は謎めいている。
今回の依頼は夏休み中という期間限定の殺害。
そんな奇妙な依頼の謎を、殺し屋たちが推理していくミステリー短編集。
二人の殺し屋のもとに入ったちょっと変わったオーダーとは
塚原を通して富澤のもとへやってきた依頼は、ターゲットである中年女性の坂木棗を八月中に殺害してほしい、といった内容でした。
広尾の閑静な住宅街に、確かに住んでいることを確認した富澤は依頼を受けることに。
すると、塚原から再度依頼が入ったことを告げられた富澤は、ターゲットが同じ人物であることを聞き驚きます。
別の人物からの依頼なのか定かではありませんが、ターゲットの存在は確認しているため、引き受けることにします。
坂木棗がどんな人物なのか想像をめぐらせつつ、慎重に仕事をしようと考える富澤ですが…。
一方、知栄が受けた依頼は、高校二年生の久我世理香を殺害し、あまり間を空けず次に篠宮真知を殺すこと。
殺し屋稼業を手伝ってくれている本多と内容について話し合う際に、夏休みで生徒の行動パターンが読みづらいこと、夏休み中にチャンスがなければ二学期になってから実行することなどを検討しますが、間をなるべく空けない条件がネックになり、タイミングが悩ましいことに気づきます。
依頼者は何故このような依頼をしたのか、知栄は推理をしていきます。
まとめ
二人の殺し屋のもとに入った奇妙な依頼。
一方は一人のターゲットに対して二件の殺害依頼を八月中に、もう一人は二人のターゲットを順番指定。
女子校の校長、生徒、生徒の母親。
ターゲットとなった彼女たちの間に何が起こっていたのか。
実行前の尾行で少しずつ状況を理解していきます。
つつがなく実行した後、それぞれに祝杯をあげながら推理を披露していくのですが、複雑に絡まった依頼内容がきれいにほどける爽快感を味わいつつ、さらなる真実に驚愕せずにはいられない、殺し屋たちの活躍と推理を描くシリーズ第四弾です。
<こんな人におすすめ>
謎めいた殺害依頼を推理する殺し屋の話に興味がある
『殺し屋』シリーズのファン
石持 浅海のファン


うわあ… もつれにもつれて
こうなっちゃうわけね…
殺し屋たちの客観的で冷静な推理が
またいいね。だから仕事も失敗
しないんだろうなあ。

人間関係のもつれが思わぬ結果を
生み出すわけだけれど、それを
見事にほどいて真実を明らかに
していく見事な推理力を持つのが
殺し屋というところもポイントなのよね。
『殺し屋』シリーズのイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。