のこ
元恋人が、自分の患者となって
現れたらどうする?
ぬこ
そりゃあ必死に治そうと
するんじゃないか。
のこ
ところが、癌患者であり
回復の見込みはないの。患者である彼は
元恋人の医者にモルヒネの処方を頼むのよ。
ぬこ
苦しみから解放してやるのか、
解放することなく1日でも長く生きて
もらうことを選ぶのか。
医師として、元恋人として、悩む
ところだよな。
『モルヒネ』 安達千夏 (著) 祥伝社文庫
あらすじ
在宅医療で癌患者を診療する医師・藤原真紀。彼女の前に、元恋人である倉橋克秀が現れた。ピアニストとして海外留学した克秀は、余命三ヶ月の末期癌であり、あらゆる治療を拒否していた。婚約者がいながらも、かつて心の奥底で共鳴していた克秀の出現に心を惑わせる真紀だったが…。
モルヒネは一定量体内に取り入れると死に至ります。生きる証とも言えるピアノが弾けなくなり、日常生活もできなくなることが増えていく。放っておいても死ぬ、数十日の苦しみを長らえることに何の意味があるのか、と克秀は言い、モルヒネを手に入れて欲しいと真紀に頼みます。
まとめ
昔から死にたい、と言う願望を持つ真紀の心に克秀の言葉は共鳴し、包んでいくのです。大切な人が死へ向かっていく姿と最後まで守り抜こうとする者の姿に涙が止まらなくなる物語です。
<こんな人におすすめ>
余命いくばくもない元恋人との恋愛小説に興味がある
医師として、一人の人間として元恋人を見守る話を読みたい
安達 千夏のファン
リンク
ぬこ
医者なのに、死に向かう
元恋人を見守るしかできない(இдஇ; )
のこ
患者を守りたいという思いは
医師だろうと元恋人だろうと
強く持つものなのでしょうね。
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