のこ
こちらは姫様人形が「まこと」を
語る、という江戸のお話よ。
ぬこ
人形が何かを喋るの!?
怖っΣ(oдΟ;)
のこ
芸人が人形を動かし、
腹話術のようにして人形の口から
語らせるのよ。
ぬこ
なんだ、そういうことね。
それじゃあ、「まこと」を見つけるのは
芸人の役目ってことか。そうやって
真実を見つけるのかな。
『まことの華姫』 畠中 恵 (著) 角川文庫
あらすじ
江戸は両国の見世物小屋で、姫様人形のお華をしゃべらせる話芸をしている芸人の月草。
真実を語るという噂から、まことを知りたいと願う人々が訪れる。
美しい姿形と物腰、そして歯に衣着せぬ物言いで人気の高い姫様人形のお華。
彼女の話を聞きたいと多くの客が小屋へ訪れます。中には、個人的に話を聞いて欲しい、という者もあらわれます。
数年前に生き別れになった子供を見極めて欲しい、行方不明になった義兄を探して欲しい…。
まとめ
江戸の世に生きる人々の切ない願い。華姫は千里眼ではありません。
華姫を操る月草と、一帯の顔役、山越の娘でお華のことが大好きなお夏とともに、江戸の街を歩き回ったり、時には小屋に来たお客に意見を聞いたりしながら真実を見つけていきます。
「まこと」は万人にとって良いものではなく、時に苦いこともある。
そんなことを感じさせてくれる物語です。
<こんな人におすすめ>
江戸時代の見世物小屋や町の様子に興味がある
腹話術の人形が江戸の事件を解決する話を読みたい
畠中 恵のファン
リンク
ぬこ
真実は時に残酷なことも
あるよなあ。
のこ
真実を見つけ出すということは
結局自分自身の心を
見つめることなのかもしれないわね。
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