こちらはコンビニの店員や店長、
そして問題を抱えたお客さんたちの
姿を描く、心あたたまる物語よ。
コンビニはどこにでもあるだろ。
店側もお客からいろいろ要求されて
大変なんじゃないの?
こちらはコンビニの特色を出すべく
努力をしているわ。そして何より
店長がとてつもなく個性的なの。
ほお?どんなコンビニなのかな。
そして店長が個性的!?気になるぜ。
『コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店』
町田そのこ (著) 新潮文庫
あらすじ
九州エリアのみに展開しているコンビニチェーン「テンダネス」。
中でもトップクラスの売り上げを誇る名物店、「門司港こがね村店」では、その放出するフェロモンにより老若男女問わずに虜にしてしまうという魔性の店長が、熱心に仕事をしている。
パート店員の光莉は、そんな店長を観察することがこの上ない楽しみ。
店長のもとには、彼の兄や、悩みを抱えた客など、様々な人たちがやってくる。
店長がカウンターに立てば、さながらアイドルの握手会のように、レジに彼のファンである女性達が長い行列を作ります。
お客一人一人に「リップ変えましたね」「髪型かわいい」などファンサ(?)も忘れない店長には、店と同じ建物に住む奥様方からなる「後援会」も存在。
その店長のフェロモンだだもれの様子と、それに翻弄される人々の様子を楽しんでいるのはパートの光莉。
彼女はこの店長をめぐる人間劇を漫画にして、WEB上に掲載しているのです。
しかし、コンビニへやってくるのは店長ファンだけではなく、夢をあきらめた青年、友人関係に悩む女子中学生、妻のことがよくわからなくなってしまった老いた夫など、様々な悩みを抱えた人たち。
店長やスタッフたちは彼らをそっと支えます。
まとめ
キャラの強さに目を奪われますが、一つ一つ吟味されたコンビニ商品も、彼らの日常と心を支えていることがわかります。
彼らの働くコンビニへ行ってみたくなる、心温まる物語です。
<こんな人におすすめ>
フェロモンがダダ漏れの店長がいるコンビニの話に興味がある
悩みを持つ人間が交差する、心温まる物語を読みたい
町田そのこのファン
お、オレ、この店長の前で
シラフでいられるかな…
ゴロゴロしちゃうかも(^_^;)
軽快な会話の裏に、しっかりと
相手との距離をはかった思いやりが
感じられるわね。お客さんの心の
拠り所になるようなコンビニって素敵よね。
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