こちらは愛する女性が
多くの人間を自殺に追い込む
ゲームの主催者であることを
知った男性の姿を描く物語よ。
その女性はサイコパスなのか?
男が止めたらいいじゃないか。
自分も殺されそうで怖いのかな?
いいえ。彼女の方も彼のことを
愛しているの。彼女の思いを理解
した上で、彼は彼女を止めることなく
見守ることにしたの。
ええ!?それだけの理由があったってこと?
彼女は何だってそんなゲームを作っちまったんだ?
『恋に至る病』斜線堂 有紀 (著) メディアワークス文庫
あらすじ
若者達の間で流行し、150人もの被害者を出した自殺教唆ゲーム「青い蝶(ブルーモルフォ)」。
主催者は誰からも好かれる優等生、寄河景。
彼女はなぜこのようなゲームを作り、多くの人間を死へと導いたのか。
幼なじみの宮嶺は、「世界が君を赦さなくても、僕だけは君の味方だから」と景に告げる。
変わりゆく景を目にしながらも、その行為を、彼女を愛することを止められなかった宮嶺が手にしたものとは。
小学校の時に転校してきた宮嶺は、景のおかげでクラスのみんなとも仲良くなれました。
しかし、進級して景とクラスが別れててからは、同級生、根津原によるいじめが始まります。
根津原は宮嶺を痛めつけては、その負傷した体の一部分を写した写真を「蝶図鑑」と名付けたブログにアップしていました。
景も宮嶺を心配し、助けようとしますが、恥かしさと情けなさから拒否してしまう宮嶺。
そしてある日、根津原が飛び降り自殺したという知らせが。
いじめは止み、やがて同じ高校に進学した景と宮嶺。
付き合うようになったふたりですが、宮嶺は景が「ブルーモルフォ」のマスターであることを知ります。
景の思いを聞き、見守ることを選んだ宮嶺ですが…。
まとめ
景なりの倫理やルールがあり、しっかりとした理論に裏付けされています。
しかし、景が享楽的な殺人者でないことは、ラストの四行によって明らかに。
愛に絡めとられ羽を失った男の葛藤と、強い覚悟を描く物語です。
<こんな人におすすめ>
殺人教唆ゲームを運営する女子高生の話に興味がある
愛する気持ちが暴走する物語を読んでみたい
斜線堂 有紀のファン
サイコパスじゃない…!?
いやでも…!?
ラスト四行でこれまでの視点が
ガラリと変わるかも。
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したくなる物語ね。
TikTokでも話題になったそうよ。
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