小説・人文

イラストブックレビュー

本の向こうに連れて行かれないようご注意を

『奇譚を売る店』芦辺 拓 (著)のイラストブックレビューです。「また買ってしまった」。古書店を見かけるとつい中に入っては本を手にしてしまう「私」。その古書との出会いによって「私」は奇妙な世界へと導かれていく。幻想怪奇な魅力に満ちた全六編の連作短編集。
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やがてやってくる「老い」をどう生きるか

『すぐ死ぬんだから』 内館 牧子 (著)のイラストブックレビューです。78歳のハナは、身の回りに気を使い、見た目は60代、夫にも「自慢の妻」と言われ、概ね満足な老後を送っている。ある日夫が倒れたことから思いがけない事実が明らかになる。
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便利って何?人間らしさって?AI時代の生き方を問う

『ままならないから私とあなた』 朝井 リョウ (著) のイラストブックレビューです。数学が得意で、とことん合理的に生き、無駄なことは切り捨てていく薫。ピアノが好きで、説明できない感情や無駄と思われることにこそ、人のあたたかみが宿ると考える雪子。ふたりの友情と成長、価値観のぶつかりを描く。
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「あずかりやさん」はお客さんの人生の一部も預かるのです

『あずかりやさん 彼女の青い鳥』大山 淳子 (著)のイラストブックレビューです。藍色に白抜き文字で「さとう」と書かれたのれんがかかる「あずかりや」。この店では目の見えぬ店長が1日百円でなんでも預かります。
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人生一美味いビールが深く、深く沁みていく

『六畳間のピアノマン』 安藤 祐介 (著) のイラストブックレビューです 。ブラック企業に入社した大友、夏野、村沢。休みなく働いてきた三人は、ある夜、居酒屋で「人生一美味いビール」を飲む。人間らしさを取り戻したかのように思えた三人だったが、翌日から上司である上河内の締め付けが、さらにひどくなっていく。
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音楽によって人は世界を共有できる

『蜜蜂と遠雷(下)』恩田 陸 (著)のイラストブックレビューです。芳ヶ江ピアノコンクール2次予選課題曲である「春と修羅」をどのように弾くかが3次審査へ進めるか否かの分かれ道となる。続く3次予選、本線を勝ち抜き、優勝を手にするのは誰なのか。
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激動の時代を駆け抜けた男の数奇な運命

『わたしは英国王に給仕した』ボフミル フラバル (著)のイラストブックレビューです。百万長者になることを夢見て、ホテル「黄金のプラハ」で給仕見習いとして働くチェコ人の若者。だんだんと出世しながら、高級ホテルを転々とし、戦時中はナチスの施設で給仕を務め、やがて念願の巨万の富を手にするのだが。
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自ら命を絶ち、その先に見つけたものとは

『幽霊人命救助隊』高野 和明 (著)のイラストブックレビューです。首をくくり、自ら命を断った、浪人生の高岡裕一。気がつけば断崖を登っており、その頂上には3人の男女がいた。そこは死後の世界であり、自殺者である彼らは天国に行けずにいるらしい。そんな彼らの前に神が現れ、自殺志望者100名の命を救えば天国に行かせてくれるという。
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演奏から情景を生み出すピアニストたちの戦い

『蜜蜂と遠雷(上)』恩田 陸 (著)のイラストブックレビューです。近年、その覇者が音楽会の寵児となり、世界中から注目が集まる芳ヶ江国際ピアノコンクール。自宅にピアノがない16歳の少年、風間塵。かつて天才少女と言われながら母の死以来弾けなくなってしまった20歳の音大生、栄伝亜矢。彼らの戦いの火蓋が切られた。
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待ったなし!の育児を支える保育園の現状

『戦うハニー 』 新野 剛志 (著)のイラストブックレビューです。認可外保育園に勤めることになった星野親、27歳。その保育園は、事情を抱えた家庭の子供が集まることで有名な園だった。トラブルが頻発する中、さらに園の運営形態について市から指摘され、存続の危機に立たされてしまう。