イラストブックレビュー言葉の持つ「力」に打ちのめされる物語 『何もかも憂鬱な夜に』 中村 文則 (著)のイラストブックレビューです。施設で育った刑務官の「僕」は、ある夫婦を刺殺した二十歳の未決囚である山井を担当している。山井とのやりとりの中で、どこか自分と似たところがあると感じる「僕」は、自殺した友人や恩師とのやりとりに思いを馳せる。 2021.07.02イラストブックレビュー
イラストブックレビュー家族だからこそ、心の底でくすぶり続ける消せぬ思い 『血縁』 長岡 弘樹 (著) のイラストブックレビューです。初老のコンビニ店長が、コンビニ強盗にナイフを突きつけられた。その時鳴り響いた電話の音に「でていいか」と書いて示したが強盗はメモを見ても答えなかった(「文字盤」)。血の繋がりゆえに起こる犯罪を情感豊かに描く7つのミステリー短編集。 2021.06.27イラストブックレビュー
イラストブックレビュー間違っても敵にまわしたくない女、それは陽子 『我ら荒野の七重奏』 加納 朋子 (著) のイラストブックレビューです。出版社で文芸部の編集としてバリバリ働く陽子は、一人息子の陽介を溺愛している。そんな陽介が中学受験に落ち、公立中学校で吹奏楽部に入るも希望のパートを持つこともできず。落ち込む陽介の姿をみかねて陽子は立ち上がる!! 2021.06.26イラストブックレビュー
イラストブックレビュー極限状態における神とは、祈りとは何なのか 『弥勒』 篠田 節子 (著) のイラストブックレビューです。新聞社で展覧会を企画・運営する仕事をしている永岡は、妻の髪飾りがヒマラヤの国、パスキムの破壊された仏像の一部と気付く。美術品持ち出し禁止の国で政変があったことを知り、密入国を試みた永岡が目にしたものは虐殺された僧侶たちと壊滅した都市だった。そして革命軍に捕らえられ…。 2021.06.25イラストブックレビュー
イラストブックレビュー戦国時代でバンドやろうぜ!! 『桃山ビート・トライブ』 天野 純希 (著) のイラストブックレビューです。豊臣秀吉が天下をおさめる安土桃山時代。四人の若者が出会い、一座を結成した。型破りな芸で民衆を熱狂に巻き込み、やがて民衆への支配を強める秀吉に立ち向かうことに。 2021.06.22イラストブックレビュー
イラストブックレビュー「ありがとう」の気持ちが湧いてくる心温まる短編集 『おしまいのデート』瀬尾 まいこ (著) のイラストブックレビューです。中学三年生の彗子は、月に一度、離婚した父親のかわりに祖父と会っていた。表題作「おしまいのデート」ほか、ちょっぴりせつない5つのデートを描いた短編集。 2021.05.31イラストブックレビュー
イラストブックレビュー二人の未来は自分たちで守り抜く 『HELLO WORLD』 野崎 まど (著) のイラストブックレビューです。本好きで内気な男子高校生、堅書直実は、ある日あらわれた黒い鳥に本を奪われてしまう。追いかけた先で出会ったのは「10年後の自分」。直実にしか見えないこの男の目的は「未来の記録を変えること」だった。 2021.05.30イラストブックレビュー
イラストブックレビュー日本を下支えしてきた中小製造業の変革劇 『陸王』 池井戸 潤 (著)のイラストブックレビューです。埼玉県行田市にある老舗の足袋業者「こはぜ屋」。四代目社長である宮沢紘一は日々下がる売り上げで、資金繰りに頭を悩ませていた。そこで足袋づくりの技術を生かしたランニングシューズを作るという新規事業に挑む。 2021.05.25イラストブックレビュー
イラストブックレビュー生涯に影響を与え続けるメンターとの出会い 『リーチ先生』 原田 マハ (著) のイラストブックレビューです。1954年、大分の小鹿田にやってきた、イギリス人陶芸家のバーナード・リーチ。ある窯元の弟子として働く十六歳の少年、高市はリーチ先生のお世話がかりに任命された。驚くことに、リーチ先生は高市の父、亀之介を助手としていたことがあるという。 2021.05.19イラストブックレビュー
イラストブックレビュー今の時代から戦争を「感じる」ということ 『帰郷』 浅田 次郎 (著)のイラストブックレビューです。帰るべき家を失くした帰還兵。ニューギニアで高射砲の修理にあたる職工。戦地へ赴く前の出来事を語り合う海軍兵。戦争に巻き込まれた人々が語る、戦中、戦後。今の時代だからこそ読んでほしい、反戦小説集。 2021.05.18イラストブックレビュー