小説・人文

イラストブックレビュー

見た目はやっぱり大事なんです

『イメコン』遠藤 彩見 (著) のイラストブックレビューです。ひきこもりの男子高校生、武川直央の前に現れたのは、田舎町では明らかに異彩を放つ容姿端麗な男・一色一麿だった。彼のアドバイスで、依頼人の事態は好転していく。そしてその洞察力で、起こった事件までも解決していく。
イラストブックレビュー

自分自身から逃れられない悲しみを叫ぶ

『生きてるだけで、愛。』本谷 有希子 (著) のイラストブックレビューです。25歳の寧子は、津奈木の家に押しかけ、同棲し、3年になる。鬱からくる過眠により引きこもりがちになり、バイトも続かない。その寧子のもとへ、津奈木の元カノがやってきて寧子を攻めたて、自立してここを出て行け、とバイトをさせるのだが。
イラストブックレビュー

怖いけど懐かしくもある、もののけを追う珍道中

『逢魔が時に会いましょう』荻原 浩 (著) のイラストブックレビューです。大学四年生の高橋真矢は、アルバイトで民俗学者である布目准教授の助手を勤めることに。調査対象はなんと「座敷わらし」。子供が多くいる一般家庭に出没するという座敷わらしの姿を、真矢はビデオカメラで捉えることができるのか。
イラストブックレビュー

いるよねー、とうなずきたくなる「まったくもう」な人々

『二人の彼』 群 ようこ (著) のイラストブックレビューです。女子校の同窓会、会社を突然やめてしまった夫、三十五歳になった今でも弁当を作って持たせてくれる母、前妻と別れ、自分と結婚してくれた夫の真実。ちょっと面倒な、でもやっぱり大切に思う身近な人たちを描いた短編集。
イラストブックレビュー

哀しみは日常のささやかな幸せに包まれる

『昨夜のカレー、明日のパン』木皿 泉 (著)のイラストブックレビューです。7年前に25歳という若さで死んでしまった一樹。遺された嫁のテツコと今も一緒に暮らす一樹の父・ギフが周囲の人と関わりながらゆっくりと一樹の死を受け入れていく物語。
イラストブックレビュー

働くって、生きるって、いろんなことが絡まりあっている

『とにかくうちに帰ります 』津村 記久子 (著)のイラストブックレビューです。今ひとつパッとしないフィギュアスケート選手を応援するとき、職場のおじさんが文房具を返してくれないとき、台風で帰路の交通手段がなくなって徒歩で帰るとき。強く、切なくなるほどに家に帰りたい、と思うのだ。
イラストブックレビュー

おばあちゃんは「輝くもと」に気づかせてくれる達人

『ひかりの魔女 さっちゃんの巻』山本 甲士 (著) のイラストブックレビューです。不登校の子供たちが通うフリースクールに通う重ノ木さちは、小学五年生。ある日、ボランティアスタッフとして1人のおばあちゃんがやってきた。手ぬぐいを姉さんかぶりにして、割烹着を着た小柄なひかりおばあちゃんは、優しい「うそ」でみんなを笑顔に変えていく。
イラストブックレビュー

絶望の淵で折れた羽を広げる蝶たち

『アンチェルの蝶』遠田 潤子 (著)のイラストブックレビューです。大阪で小さな居酒屋を経営する藤太のもとへ、かつての同級生、秋雄が少女・ほづみを連れて訪れた。ほづみを託された藤太は戸惑いながら少女と心を通わせていくのだが…。
イラストブックレビュー

埼玉出身なんですけどこれって私の事でしょうか?

『ここは退屈迎えに来て』 山内 マリコ (著) のイラストブックレビューです。都会からUターンした30歳、結婚相談所に駆け込む親友同士、売れ残りの男子としぶしぶ寝る23歳、処女喪失に奔走する女性高生…。ありふれた地方の土地で、ありふれた日常を送り続ける8人の女の物語。
イラストブックレビュー

日本の小さな島のセンス・オブ・ワンダー

『海うそ』梨木 香歩 (著)のイラストブックレビューです。昭和の初め、人文地理学の研究者で有る秋野は、研究のため南九州の遅島へ赴く。かつて修験道の霊山があったその島の、豊かで変化に富んだ自然と、人々の祈りの痕跡が、秋野の心を強く捉える。