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イラストブックレビュー

いそうでいなかった、街の幸せ配達人

『詩羽のいる街』 山本 弘 (著) のイラストブックレビューです。マンガ家志望の僕は、ネームのダメ出しをされて落ち込んでいたところ、1人の女性と出会った。彼女の名前は詩羽。1日デートに誘われ、詩羽についてまわるうちに、僕は驚くべきものを目にする。
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沈み込むような夜の闇に灯るやさしい灯り

『明るい夜に出かけて』 佐藤 多佳子 (著)のイラストブックレビューです。ある事件がきっかけで大学を休学し、家を出てアルバイトをしながら一人暮らしをすることになった富山。バイトリーダーの鹿沢、富山と同じくラジオ好きの女子高校生・佐古田、旧友の永川らと交流するうちに、周囲の世界が色彩を帯びていく。
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仕事と収入が人間に与える影響を残酷なまでに描く

『監禁面接』 ピエール・ルメートル (著)のイラストブックレビューです。57歳にして失業4年目となったアラン。しかし、ある一流企業から最終試験に残ったとの連絡が。その試験の内容は「就職先企業の重役たちを監禁し、尋問せよ」というものだった。
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爆笑、脱力、唸る… ひと味違うミステリ連作集

『大きな森の小さな密室』 小林 泰三 (著)のイラストブックレビューです。社長のお使いで訪れた森の奥深くにある別荘で、主人が殺された。犯人は六人の客のうち、いったい誰なのか。表題作「大きな森の小さな密室」のほか、安楽椅子探偵、日常の謎など、クセのある事件や謎に、個性の強い登場人物たちが挑む。
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ほんとうのキミに合える場所

『よるのばけもの』 住野よる (著)のイラストブックレビューです。高校三年生の僕は、夜になると化け物になる。黒い粒のかたまりから成る体は大きさや形を自由に変え、頭部にはギョロリとむいた八つの目玉がついている。ある夜、化け物の姿で学校の教室に行くと、そこにはクラスメイトの矢野さつきがいて、化け物の姿の僕に話しかけてきた。
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究極の二択の中で親が息子に望むこととは

『望み』雫井 脩介 (著)のイラストブックレビューです。埼玉で建築設計事務所を営む一登。ある日、息子の規士が帰宅せず、連絡が取れなくなる。警察に相談したが、他にも規士の友人で行方不明の者がおり、死体として発見された者も。規士は事件の加害者なのか、それとも被害者なのか。
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殺したいから、守る。異色の警察小説!

『ファイアガード 新宿警察署特殊事案対策課』 鷹樹 烏介 (著) のイラストブックレビューです。江戸時代、なんども大火事が起こった東京では、明治維新をきっかけにいくつもの「火伏塚」が築かれ、町を火災から守り続けてきた。しかし、オリンピックに向けた建設・改築ラッシュで火伏塚が次々と破壊される事件が発生する。
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自閉症から見える「ことば」の世界

『自閉症は津軽弁を話さない 自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解く』のイラストブックレビューです。「自閉症の子は津軽弁を話さない」。臨床発達心理士である妻の一言に、障害児心理を専門とする著者が「方言らしく聞こえない、ということなのでは?」と答えるも「そうではない」と言い争いに。この夫婦喧嘩をきっかけに、著者は「自閉症は方言を話さないのか」ということについて追究していく。
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小さな醸造所で起こった殺人事件の謎を解く

『ビール職人の醸造と推理』エリー・アレグザンダー (著)のイラストブックレビューです。夫の両親とともに町で一番大きなブルワリーで働いていたわたしは、夫の浮気をきっかけに、新しくオープンするブルワリーで働くことに。無事に迎えたオープンの翌日、ビールのタンクの中で死体を発見してしまい…。
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日本と日本人における「天皇」の存在とは

『落陽』 朝井 まかて (著) のイラストブックレビューです。明治天皇崩御直後、渋沢栄一ら東京の財界人たちは神宮造営を計画。一方で帝国大学農科大学の本郷は「東京に神宮林にふさわしい森を造るのは不可能」と反論。東都タイムスの記者、瀬尾亮一は同僚と取材するうちに「明治天皇」という存在について思いを巡らせていく。