小説・人文

イラストブックレビュー

心のひだに沁みこんでいくような「切なさ」を描く

『私の頭が正常であったなら』山白 朝子 (著) のイラストブックレビューです。目の前で、別れた夫に愛娘と心中されてしまった女性が耳にした言葉とは(「私の頭が正常であったなら」)など、「切なさ」を描いた恐ろしく美しい8つの物語。
イラストブックレビュー

女はちょっとした毒を求めているものなのかも

『夫以外』 新津 きよみ (著)のイラストブックレビューです。夫が急死した40代女性が夢中になったもの、離婚して子連れで実家に戻ると父の再婚話が出ていた30代の女性、戸籍の縛りに長年囚われていた60代の女性。大人の女性たちの日常に起こる出来事を描く6つの短編集。
イラストブックレビュー

クールな表情に隠された美少女の秘密

『「私が笑ったら、死にますから」と、水品さんは言ったんだ。』隙名 こと (著)のイラストブックレビューです。地味で目立たない男子高校生、駒田。となりの席の美少女、水品さんがある日、声をかけてきた。「15分で1万円のバイトに興味はありませんか?」
イラストブックレビュー

その「あん」の味わいは人生の深みから生まれる

『あん』ドリアン助川 (著) のイラストブックレビューです。どら焼き店「どら春」で毎日どら焼きの皮を焼き、業務用のあんを使ってどら焼きを作り、販売している千太郎。バイト募集でやってきたのは徳江という高齢のおばあさんを雇うことにしたのだが…。
イラストブックレビュー

あたたかな食事と人が心の強ばりをほぐしていく

『BAR追分』伊吹 有喜 (著)のイラストブックレビューです。新宿三丁目の「BAR追分」。昼は食事中心のバール、夜は酒中心のバーとして営業している。今日も悩みを抱えたお客が店へと吸い込まれていく。
イラストブックレビュー

人間関係における贅沢は人間にとって最大の贅沢

『砂漠』伊坂 幸太郎 (著)のイラストブックレビューです。何ごとにも冷めた目線を持つ北村。仙台市の大学に進学した彼は四人の学生と知り合った。光に満ち、時には影を落とす喜びと痛みを描く、珠玉の青春物語。
イラストブックレビュー

仕事をするということ、自分と向き合うということ

『この世にたやすい仕事はない』津村 記久子 (著) のイラストブックレビューです。燃え尽きた状態になって前職をやめ、しばらく休んだあと、とりあえず働こうと思い、紹介してもらった仕事は誰かを「見張る」というものだった…。
イラストブックレビュー

震災後の「もうひとつの日本」の姿を描く物語

『献灯使』多和田 葉子 (著)のイラストブックレビューです。大災厄に見舞われた後、外来語も自動車もインターネットもなくなり、鎖国状態となってしまった日本。義郎の曾孫である無名が「献灯使」として日本から旅立つことになった。
イラストブックレビュー

僕を成長させる書店バイトと秘密の地下のバー

『九十九書店の地下には秘密のバーがある』岡崎琢磨 (著) のイラストブックレビューです。金融機関を辞め、自信を失っていた長原佑。ふと訪れた地元の九十九書店の女性店長から仕事の話を持ちかけられる。指定された時間に訪れた場所は、書店の地下にある秘密のバーだった。
イラストブックレビュー

何層にも分かれた人種差別を描く

『非色』有吉佐和子 (著)のイラストブックレビューです。戦後間もなく、仕事先で知り合った黒人兵・トムと結婚した笑子。アメリカへ戻った夫を追い、幼い娘を連れ、ニューヨークへ。彼女たちを待っていたのは貧民街での生活だった。