小説・人文

イラストブックレビュー

山奥に潜む 最強の四人の老人

『四人組がいた。』髙村 薫 (著) のイラストブックレビューです。郵便局兼集会所に日がな集まり毒を吐きながら過ごす四人の老人。車もめったに通らない山奥の村に、時おり見慣れぬ客がやってくる。四人組はいい暇つぶしができたとばかり、客の相手をするのだが…。
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失っているときはシンプルになっている時なんだ

『今はちょっと、ついてないだけ 』伊吹 有喜 (著) のイラストブックレビューです。落ち目となった、四十代の自然写真家・立花浩樹は、ある少女からの撮影依頼で東京へ行くことになった。ここから彼の「敗者復活戦」がはじまる。
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足りないものを抱えた者同士が寄りそう形を描く

『ファミリー・レス』奥田 亜希子 (著)のイラストブックレビューです。姉と絶縁し、シェアハウスで暮らすOL。妻の親族に興味を持てない画家。未来を考えられないことで離婚された男。何かが欠けた6人の男女を描く、連作短編集。
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時代と人の重なりを美しい表現で描く物語

『冥途あり』長野 まゆみ (著)のイラストブックレビューです。東京の下町で生まれ、実直な文字職人としてその生涯を終えたはずの父。しかし、亡くなった後、親族との会話から、父の意外な一面を知る。遠き日の昭和の風景とともに、一族の歩んできた道を描く物語。
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世にも奇妙な、それでいて身近に感じる世界

『世にも奇妙な君物語』朝井 リョウ (著) のイラストブックレビューです。初めに感じたのは、ほんのわずかな違和感、それが、みるみる間にふくれていき、後戻りのできない状況になっていく。そんな、朝井リョウ流の「世にも奇妙な物語」。
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完全なる執事、ジーヴズの活躍が光るユーモア小説

『ジーヴズの事件簿―才智縦横の巻』P.G. ウッドハウス (著)のイラストブックレビューです。少々頭の弱い金持ちの青年、バーティーのもとへ新たな執事、ジーヴスがやってきた。服選びから人間関係まで、どんなやっかいなことでもジーヴズにかかればたちまち解決してしまうのだ。
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解いた者だけが踏み入れることができる美しい世界

『青の数学』王城 夕紀 (著)のイラストブックレビューです。雪の日、栢山が出会った少女は、数学オリンピックを制した天才、京(かなどめ)香凜。彼女は栢山に問う。「数学って何?」。ライバルと出会い、闘いながら栢山は香凜に問われた答えを探す。
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父の手紙に込められた子供たちへの愛

『父からの手紙』小杉 健治 (著)のイラストブックレビューです。姉弟である麻美子と伸吾のもとには、失踪した父・伸吉からの手紙が届いていた。しかし、結婚を控えた麻美子の婚約者が殺され、容疑者として逮捕された弟を救うため奔走するうちに、驚くべき父の真実が明らかに。
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流れていくときと人とを描く15の短編集

『ヴェネツィア便り』北村 薫 (著)のイラストブックレビューです。病に伏せっていた双子の弟が、空襲のさなかで気付いた、自分の出生にまつわること。過去、現代、そしてどこでもない空間。様々な状況で時と人を描く短編集。
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店長の数だけドラマがある!笑いと涙のお仕事物語。

『店長がいっぱい』山本 幸久 (著)のイラストブックレビューです。豚バラ肉と玉ねぎを甘辛く煮込んだものを卵でとじる他人丼。これを友々丼と名付け、看板メニューとして国内外に多くの店舗を展開する友々家。様々な事情で店長となった者たちが奮闘中。