『裏世界旅行』 二宮 敦人 (著) 小学館文庫キャラブン
あらすじ
高校三年生の月子はいつも同じ夢を見る。空と地を分ける巨大な樹、世界樹を中心に豊かに広がる世界。自分だけがいるはずのその場所に見知らぬ男が立っていた。他人の夢の中に入れるというその男とともに、月子は様々な他人の夢の中、「裏世界」を知る。
他人の夢に入れる「小指さん」との出会い
クラスで浮いた存在である月子。小学校時代からの友人、ヒナタは月子を慕っていますが、そのことに月子は違和感を感じています。月子の夢の中に入り込んできた男、「小指さん」とのやりとりから、月子は自分が目を背けていた物事に気付きます。やがて自分とヒナタの関係、自分の進むべき道を決め、大学生となった月子は、小指さんとともに、他人の夢の中へと足を踏み入れていくのです。
夢の象徴や行動。無意識下で起こる出来事から、夢の主が抱える問題の根本を見つけ、解決のために夢の中で手助けをしようとする月子。その姿に小指さんも刺激され意識が変わっていくのですが…。
まとめ
心地よい、時に不快な「夢」はうまくいかない現実との折り合いをつけるために存在するのかもしれません。しかしそこに留まるのではなく、現況を変えるために意識を「現実」に向けること、そして行動することが大切なのだということを教えてくれる物語です。
<こんな人におすすめ>
夢と現実との関わりに興味がある
他人の夢に入り込める物語を読んでみたい
二宮 敦人のファン
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