『末ながく、お幸せに』 あさの あつこ (著) 小学館文庫
あらすじ
九江泰樹と瀬戸田萌恵の結婚披露宴が始まった。二人の友人や上司、いとこなどが、自分との思い出を照らし合わせ、お祝いのスピーチをする。小さなレストランを始めるという二人を見守りながら、招待客たちは彼らの未来と、自分自身のこれまでとこれから、そして家族のあり方について考える。
周囲の人たちにとっての萌恵という存在
萌恵のウエディングドレスを作った高校時代の友人、愛弥。いつも微笑んでいた萌恵に苛立つこともありましたが、社会に出て苦しんでいた愛弥を救ってくれたのでは、と気付きます。ウエディングプランナーは、萌恵に妹の面ざしを重ね、元上司は本社から追いやられた今の立場に惨めな気分になっています。家族や仕事に行き詰まりを感じる彼らは、萌恵の静かだけれど物事をよく見て、手を差し伸べてくれるところに信頼を置いているようです。
まとめ
萌恵自身も複雑な境遇で育ったと言えます。そして招待されたゲストたちも、どこか満たされていない部分を持っています。皆何かを抱えながら今ここにある「幸せ」を見つけて生きていくのです。感動の涙が溢れてくる物語です。
<こんな人におすすめ>
結婚する当人たちについて思いをはせる人々を描いた話に興味がある
結婚や家族について考えさせられる物語を読みたい
あさの あつこのファン
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