自分の「匂い」を失った画家が巻き込まれる奇妙な事件

『探偵は絵にならない』  森晶麿 (著)  ハヤカワ文庫JA

あらすじ

若くして画壇の評価を得た、画家の濱松蒼。しかし、最近はほぼ失業状態。同棲していた彼女、フオンは「あなたの匂いが消えた」と言う言葉を残し、家を出ていってしまう。

彼女の行方を探すために、蒼は故郷の浜松へ向かい、友人の小吹蘭都の住居に転がり込むが、そこには奇妙な依頼が舞い込んで…。

姿を消した彼女を探しにきたはずが…

絵が評価されない苛立ちから口論となり、姿を消してしまった彼女、フオンを探しに浜松へ戻った蒼。腐れ縁で、アロマテラピストであり、サロンを経営する蘭都の住居を拠点に、当座の仕事とフオンの行方を探します。

同級生からのヌード描画の依頼、絵画教室の娘からコンサートでのピアノ演奏を見ていて欲しい、などの依頼を受けるのですが、取り組むうちに奇妙な事件へと発展していくのです。

まとめ

浜松の穏やかな街の様子と、かつて天台ともてはやされた画家がしっくりと馴染みます。そして口に出せない思いを抱えた登場人物たちを蘭都のアロマがときほぐしていきます。繊細で重厚な心理描写に、読後深い余韻が残る連作ミステリーです。

<こんな人におすすめ>

画家が抱える葛藤を描いた話を読んでみたい
香りがヒントとなるようなミステリーに興味がある
森晶麿のファン

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