下町オヤジの再生物語

『明日の色』 新野 剛志 (著) 講談社文庫

あらすじ

スカイツリーの町で生まれ育った吾郎。低額宿泊所の所長だったがクビに。バツイチで、可愛い息子にはほとんど会えず、元妻は再婚すると言う。

しかし、元ホームレスの青年、魁太に絵の才能を感じて、ギャラリストになろうと決めた。めげない男の奮闘が痛快な、下町人情物語。

崖っぷちの下町オヤジ・吾郎の物語

生まれ育った街で働き、結婚し、離婚して失業。なんとも濃ゆい人生を送る、濃ゆい男、吾郎。

ザ・下町の男とも言える、感情表現が素直(すぐカッとなる)な彼は、前半、実に情けない描写で描かれています。そう、はっきり言ってかっこ悪いです。

しかし後半。自分がかつて絵を描きたかったことを思い出し、才能ある画家を見出してからは一変します。

オセロが黒から白に変わっていくように、パタパタと状況が変わっていくのです。これは良くも悪くも根本が変わらない吾郎だから成し得たことです。

まとめ

カッコなんか気にせずに、腹決めてやり通す!そんな下町男の素敵な再生物語です。

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