サッパリとしているのに絶妙な熱さを持つ恋愛物語

のこ
のこ

こちらはある男性に恋をした女性が

彼を追いかけて上京するお話よ。

ぬこ
ぬこ

へえ〜 情熱的というか

一途というか。恋愛に

積極的なタイプなの?

のこ
のこ

そういうタイプというわけでも

ないようだけれど。片思いだから

彼の様子を探ってみたりしているわ。

ぬこ
ぬこ

片思いなんだ!?

その後、彼との仲はどうなっていくのかな?

気になるぜ。

『恋に焦がれて吉田の上京』 朝倉 かすみ (著) 新潮文庫

あらすじ

札幌で両親と弟、そしてハムスターの枇杷介と暮らす23歳の吉田苑美は、はじめて恋をした。

相手は40男のエノマタさん。東京へ行った彼を追いかけ、ストーカーまがいのことをして、ただひたすらに彼のことを知ろうとするのだが…。

勤めていたデパートのポスター撮影の場でエノマタさんと出会った苑美は、彼のことが忘れられず、冷静な友人、前田の容赦ないツッコミをもろともせず、愛のため(片思いだけど)に彼を追って上京する。

行動は熱い苑美ですが、そんな自分をどこか冷静に見つめていて、どうも感情の波に溺れる、という様子でもないのです。

それはやさしいけれども感情の機微に乏しいエノマタさんと向き合っているからかもしれません。

まとめ

苑美と前田の渇いたような、それでいて奥にちらちらと見える思いやり。

苑美の、恋をしているのに妙に色気を感じない、むしろ相手を思う強さを感じるような清々しさ。

こうした温度加減が絶妙な、やけに胸に残る物語です。

<こんな人におすすめ>

ちょっと笑えてせつない片思いの話を読んでみたい
女の友情や男女のすれ違いを絶妙な距離感で描いた話を読みたい
朝倉 かすみのファン

ぬこ
ぬこ

熱いけれどさっぱりとしていて。

なんとも不思議な味わいが後をひくなあ。

のこ
のこ

友情や、男女間の愛情の差。

そんな感情にそれぞれの温度を

感じるような物語ね。

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