のこ
こちらは少女小説家である母親と
全て父親の違う三人の娘たちを
描く物語よ。
ぬこ
三人とも父親が違うとは
それまたすごい話だな。
のこ
母親と呼ばれることを嫌う、
ちょっと変わった部分を持って
いるの。娘たちは母のようには
なりたくない、と思っているの。
ぬこ
へえ〜。そんな風に娘から
思われてしまうなんて、
いったいどんな母親なんだろう?
『少女病』 吉川 トリコ (著) ポプラ文庫
あらすじ
母親と呼ばれることを嫌う、変わり者の少女小説家の母・織子と、父親が違う三人の娘はいっしょに暮らしていた。
四人に共通するのは「母親のようにならない」こと。
自分の中の少女性を持て余し、苦悩する女性たちの姿を描く。
家事全般をこなす、おっとりした長女の都。
漫画家の彼と付き合う、現実主義の次女、司。
父親の顔すら知らない、真面目な三女、柴。
それぞれ違う父親を持ち、性格も異なりますが、全員に共通するのは「母親のようにならない」という思い。
それを抱えながらも、現実から目をそらしているという事実は、彼女たちが持つ少女性のゆえであり、同時に母親がもつものと同じ、ということに気づかされるのです。
まとめ
母・織子の母らしからぬ言動と行動に、驚きあきれながら、その彼女への葛藤を消化し、乗り越えていく女性たちの姿をいきいきと描く物語です。
<こんな人におすすめ>
母のようにはなりたくないと思ったことがある
自分の中にある少女じみた部分を抱えて葛藤する女性たちの話を読みたい
吉川 トリコのファン
リンク
ぬこ
なるほどねえ。嫌いながらも
娘たちは母に似た部分を
何かしら持っているわけだ。
のこ
母と同じ部分を持つことを嫌い、
認め、それを消化していくことで
成長していくのかもしれないわね。
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