のこ
こちらは結婚を控えた女性が
かつて体を重ねた従兄に会いにいく
というお話よ。
ぬこ
結婚前にねえ。
懐かしくなって元彼のもとへ
行くような?
のこ
当時の様子を思い出しつつ
再び体を重ねるの。
恋愛というよりも体でつながっている
という感覚のほうが近いようね。
ぬこ
そんでもって、女性の方は
結婚するわけだよな。
2人はどんなつもりで体を
重ねるのかな?
『火口のふたり』 白石 一文 (著) 河出文庫
あらすじ
結婚式を控え、従兄の賢次と久しぶりに再会した直子。
かつて何度も快楽を貪りあった、そして彼女にとって初めての男でもある。
挙式までの五日間、ふたたび身体を重ねる、出口のない二人の行きつく先とは。
一時期は兄弟のように過ごした賢次と直子。実家を出てそれぞれ一人暮らしをしていた頃、いとこ同士であるせいか、しっくりと肌が馴染み、毎日のように身体を合わせていた二人
。賢次が元妻と付き合いだした頃から二人は自然と離れていったのです。
まとめ
兄弟のように近く、恋人としては遠い。そんな不思議な二人の関係は、肉体を通して強いつながりを持っているようです。
賢次の先行きのない厳しい現実によってもたらされた、凝り固まった絶望は、直子との性交によって少しずつ溶け、やがて外へと押し流されていくかのようです。
強く引きつけられながらも決して沿うことはない。
貫いたところで、その後には何も残らない。まるで溶岩のような二人の愛を描く物語。
<こんな人におすすめ>
先のない2人の愛を描いた話を読んでみたい
身体を通して繋がる愛の形を描いた話に興味がある
白石 一文のファン
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映画ではR18指定に。
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ぬこ
溶岩のように燃え尽くす!!
のこ
体の結びつきは、理性と違って
本人にも自覚できないほど強く、
激しいものなのかもしれないわね。
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