こちらは虫オタクのとぼけた
青年が事件の謎を解く
ミステリーよ。
虫オタク!?
そいつがどんな事件の
謎を解くんだ?
公園で起きた変死事件などね。
この公園には、青年もカブトムシを
採るために訪れているのよ。
あらら。
虫に詳しい青年がどんな
推理を披露するのかね。
『サーチライトと誘蛾灯』櫻田 智也 (著) 創元推理文庫
あらすじ
昆虫オタクの青年、魞沢泉(えりさわせん)は、昆虫を求めて各地に現れるのだが、訪れた先で何故か不思議な事件に遭遇する。
夜の公園で起きた変死事件、「ナナフシ」というバーの常連客を襲った悲劇の謎を、飄々としてとぼけた切れ者である魞沢が鮮やかに解く。
ボランティアで公園の見回りをしていた老人・吉森は白いシートを立てている不審な若い男性を発見。
この青年、魞沢泉は、公園にくるカブトムシをつかまえにきたのだとか。
公園から出ていく途中、ツツジの根元で寝ている人間が。
この男は張り込み中の探偵で、うっかり寝てしまったのだとか。
翌朝、探偵の死体が公園で発見されるのです。
冒頭から老人・吉森と、虫オタクの魞沢によるかみ合わないやりとりが、ユーモラスに描かれています。
トボけた風貌と反して、魞沢は事件の謎を鮮やかに解いていくのです。
その推理の結果、探偵が公園で殺害された理由が明らかに。
まとめ
虫を採るためにあちこちに出没し、現地の人にスルリと入り込み、キレ味鋭い推理を披露する魞沢。
軽快な言葉の欧州でコミカルな雰囲気が漂いますが、謎については人間の心の奥にザラリとしたものを残すような、深みのある内容です。
キャラクターのおとぼけと、深い謎のコントラストも楽しいミステリーです。
<こんな人におすすめ>
とぼけた味わいの探偵が活躍するミステリーを読んでみたい
軽快ながら鋭い洞察力で謎を解く物語が好き
櫻田 智也のファン
このとぼけたやりとりが
コントみたいでおもしろいな!
そんなユーモアを振りまきつつ
鋭い洞察力でしっかりと謎を
解いていくミステリーね。
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