こちらは鎌倉の「うずまき案内所」に
迷い込んだ人たちが、自分なりの答えを
見つけていくお話よ。
「うずまき案内所」?
いったいどんなところなんだ?
螺旋階段を降りていくと
とても不思議な空間が現れるの。
でも誰もが行ける場所ではないのよ。
へえ〜 なんだかおもしろそうだな。
そこへ訪れた奴らはどうやって
「自分なりの答え」ってやつを見つけるんだろう?
『鎌倉うずまき案内所』 青山 美智子 (著) 宝島社文庫
あらすじ
古ぼけた時計店の地下にある「鎌倉うずまき案内所」。
螺旋階段をぐるぐと降りていくと、双子のおじいさんと、壁にはアンモナイトが。
悩みを抱えた者たちが、知らず迷い込むこの場所では不思議な出来事が起こり、そして迷う人々はここでの出来事をヒントに自分の答えを見つけ出す。
会社を辞めたい20代の男性編集者、大学へ行かずユーチューバーになるという息子の考えを変えたい50代の主婦、結婚するべきなのかどうかにゃんでいる30代の学校司書をしている女性…。
2019年から始まり、平成という時代を6年ずつさかのぼりながら、悩める6名の老若男女が登場します。
彼らは鎌倉で、迷いこんだように「うずまき案内所」へやってきます。
出迎えた双子のおじいさんに悩みを打ち明けると、壁にくっついていたアンモナイトがしゅごーっと音をたてながら飛んでいき…。
不思議な光景を目にした後、彼らが「ご案内」されたものとは。
まとめ
なんとも不思議な、おとぎ話のような「鎌倉うずまき案内所」。
しかし、悩みを抱える彼らの不安や葛藤はとても現実的であり、実際にどこかに存在しているのでは、と思うほど。
彼らは「お告げ」をヒントに、目の前に存在していた答えに気づきます。
登場人物たちがつながりを持っていて、「あの人、昔こうだったんだ」となる仕掛けも楽しい、心があたたかくなる「気づき」の物語です。
<こんな人におすすめ>
子どもだけの食堂を営む駄菓子屋の物語に興味がある
食と子どもの心と体の関係について描いた話を読んでみたい
伽古屋 圭市のファン
人と人とのつながりに
グッとくるねえ。
悩みや苦しみも人とのつながりも
らせんのように渦巻きながら
つながっているものなのかも
しれないわね。
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