こちらは父親を殺した、と母親から
告白を受けた子供達が、対応に
迫られつつ、それぞれが父との
思い出と自分の人生を回想していく物語よ。
こ、殺したって…(゚o゚;;
夫婦仲が悪かったってこと?
それが、傍目にはうまくやっているように
見えたの。母親自身は落ち着いていて、
子供達の方が大人とはいえあたふたして
いるわね。
そりゃあたふたする状況
だろうよ。なぜ母親は父親を殺したのか、
そして父親はどんな人間だったのかが気になるな。
『ママがやった』 井上 荒野 (著) 文春文庫
あらすじ
小料理屋を営む79歳の母が、72歳の父親を殺した、と連絡をよこした。
慌てて駆けつけた3人の姉弟たちに、母は「あんたたち、お昼食べていくんでしょう」と米を研ぎはじめる。
母の筍ご飯を食べながら姉弟は父の死体処理の相談をする…。
男と女、家族。時と視点を変え、ある一家の愛の形を描く。
母に呼ばれて実家に戻ると、父が布団の上で死んでいた。
まさか本当に死ぬとは思わなかったんだけどねえ。
びっくりしたわ、とびっくりしていない様子で話す母。
警察に、いや母が捕まってしまう、と姉弟話し合いの末、父親の死体を処理することに。
そして家族それぞれが、身勝手で女性が絶えなかった父との関わりに思いを馳せるのです。
まとめ
母が何故、父を殺すに至ったのか。父はどのような人間で、どのように家族や別の女性を愛したのか。
そして子供たちはそんな父母からどんな影響を受けたのか。
確かにそこに愛はあるのに、望まない形では、受け取る側も理解できなかったり、疲弊したり、時には憎んでしまうものなのかもしれません。
<こんな人におすすめ>
父親を殺した母親の人間性に興味がある
家族の愛とは、男女の愛とは何なのかを描いた話に興味がある
井上 荒野のファン
いやあ この父親では
周りが苦労するわけだな。
でも悪い人間じゃないってところが
またタチが悪い。
家族の愛、男女の愛とは
何なのかを考えさせられる
物語ね。
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