こちらは両親が経営していた
喫茶店を引き継いだ三姉妹のお話よ。
ほう。仲良く三姉妹で
喫茶店をやっているのか。
ところが、朝は三女が喫茶店、
昼は次女がうどん、夜は長女が
スナックと、時間ごとに経営形態が
変わるのよ。
なんでそんなことに?
そのあたりの事情とか
気になるな。あとそれぞれが
どんなものを食べさせてくれるのかな?
『三人屋』 原田 ひ香 (著) 実業之日本社文庫
あらすじ
朝は三女が手がけるふんわりパンの喫茶店、昼は次女のこだわりうどん、夜は長女の〆の白飯が最高のスナック。
朝・昼・晩で業態が変わるこの店は「三人屋」と呼ばれている。
それぞれが問題を胸に抱えているが、常連客や姉妹間でのやりとりから、少しずつ前を向いていく。
両親が経営していた喫茶店を引き継ぎ、時間を区切って三姉妹がそれぞれに飲食を提供しています。
なぜ三人が一緒にやらないのか、というところにも理由があるのです。
とにかく食についての描写が良く、ふんわりサクッと焼けたトーストに溶けていくバター、白く美しく、まっすぐでつややかなうどん、「なにこれ」とつぶやいてしまう白いご飯。
どれもこれも、脳内に映像と香り、食感までもが浮かんでくるのです。
空腹時には注意が必要です。
まとめ
姉妹間の確執、親への愛情、幼なじみへの感情など複雑に絡まりながらも、少しずつ互いに歩み寄っていきます。
姉妹といえども理解できない部分もある。
だからこそ食は心を通わす大事なツールとなるのです。
<こんな人におすすめ>
美味しい料理と姉妹の交錯する複雑な思いを描いた話を読みたい
個性豊かな三姉妹の生き樣を描いた話に興味がある
原田 ひ香のファン
姉妹の性格はバラバラだけど
おいしいものを作るというところは
共通してるんだなあ。
美味しい食というのは
理解し合えない部分を
埋めるための大切な
ツールなのかもしれないわね。
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