人の心に寄り添い、その心を震わす菓子づくりを目指す

『しのぶ草 江戸菓子舗照月堂』

篠綾子 (著) 時代小説文庫

あらすじ

照月堂の主・久兵衛の菓子づくりの才能を警戒し、様々な妨害を仕掛けてくる上野氷川屋の主人・勘右衛門。その娘であるしのぶは、友であるなつめや照月堂の皆に申し訳ないと落ち込んでいた。しのぶに元気を出してほしいなつめはある約束を持ちかける。

氷川屋は、久兵衛の弟子である辰五郎の引き抜きがうまくいかなくなると、照月堂が最初に売り出したたい焼きを「元祖」と主張し、辰五郎の店の売り上げは落ち、窮地に追い込まれます。そんな父の行為を申し訳ないと落ちこむしのぶのために、なつめはしのぶの「思い出の菓子」を作ることを約束するのですが…。

まとめ

新しい菓子が出れば真似するものが後をたたない状況のなかで、真似されたくやしさに目を向けるのではなく、自分たちがどのような歌詞を作りたいか、そのために何ができるかを考え続けていくからこそ、人の心に響く菓子が作れる。そんなことを教えてくれる物語です。

<こんな人におすすめ>

江戸時代の新たな菓子を開発したり売り出す様子に興味がある
友情や師弟の情を感じる物語を読んでみたい
篠綾子のファン

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