こちらは党が人々のあらゆる行動や
言動を監視する世界で一人の男が
党の反逆組織と接触していくお話よ。
ええ〜 監視されてるの?
締め付けのきつい某国を
連想させるなあ。
物資は党が管理しているのだけど
粗悪で量も少ないの。人々の暮らしは貧しく
豊かにすごしているのは党の上層部の一部ね。
でも日々党首の素晴らしさやこの国は豊かだと
いう情報が毎日流されているわ。
日々監視されたり洗脳されたりしていたら
それが当たり前になっていくだろ?
主人公はなぜ違和感を覚え、行動に
移したんだろう。
『1984』
ジョージ・オーウェル (著), 田内 志文 (翻訳) 角川文庫
あらすじ
街のあちこちに巨大な顔だけが印刷されたポスターが貼ってある。
絵の下には「ビッグ・ブラザーが見ている」と書かれたコピーが。
党があらゆる行動や言動を監視する近未来の世界で、ウィンストンは過去を捏造する仕事に従事していた。
自分の記憶を確かなものにするために日記をつけはじめたウィンストンは思いがけず若い娘・ジュリアから愛を告白され逢瀬を重ねる。
やがて党の反逆組織と接触し、禁断の書を手にいれるのだが…。
日記をつけはじめたウィンストン
部屋にはテレスクリーンと呼ばれる機械が設置され、党からの情報が常に音声として流れ、またウィンストンが発する音声を党が傍受しいています。
こうして言動や思想が常に監視される世界で、ウィンストンは『真実省』に勤務し、党が決定した「真実」に基づき、過去の史実を書き換える仕事をしていました。
そのうち、自分が記憶していた「過去」が曖昧なものになってきたため、日記をつけはじめます。
『創作局』で働く若い娘、ジュリアから告白され、二人は隠れ家で逢瀬を重ねます。
そんな中、党中軸のメンバー、オブライエンの家を訪れることになったウィンストンは、党の反逆組織「ブラザー連合」に関する一冊の本を手に入れます。
彼が迎えた未来とは。
まとめ
戦争に勝っている、生産は上向き。
テレスクリーンから流れる情報に対し、実際は異なり人々は物資不足で苦しい生活を送っています。
党にとって都合の良い情報を民衆へ植え付け監視し、意にそぐわない人間は恐怖を与えて思考停止され、さらに洗脳していきます。
ネットが普及し、発信する側受ける側が互いに監視状態になっている現代も、事実と異なる情報を浴び続け、やがて何が真実かわからなくなり思考停止に陥ることがあります。
それはもしかして、何かにコントロールされているせいなのではと考えてしまう、背筋が冷たくなる物語です。
<こんな人におすすめ>
言動、思想、行動までもが監視される近未来を描いた話に興味がある
思想に支配される者、されない者の違いや境界線は何なのかを知りたい
洗脳されることで人間はどのように変化していくのかを知りたい
絶対違うのに「これが真実だ」と
痛めつけられながら言われ続けたら…
そしてそれを認めてしまったとき
自分が喪失したような気持ちになるんだろうな。
大量の情報を浴び続けている現代人は
自分の中の真実を保ち続けることが
できているのかしら。
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