こちらは『木挽町芝居茶屋事件帖』
第二弾よ。狂言作者である儀左衛門が
新たに登場し、ますます活気ある展開に
なっていくの。
ほほう。狂言作者かあ。
どんな人物なんだ?
喜八と弥助に芝居のセリフを喋らせて
イメージを膨らませながら台本を書いていく
手法を取っているの。彼らの役者としての
魅力を発見し、芝居の世界に引き込もうとするわ。
なかなかパワフルな御仁の
ようだな。役者にはならない、と
明言している喜八はどんな反応を
見せるんだろう?
『雛あられ 木挽町芝居茶屋事件帖』
篠 綾子 (著) 時代小説文庫
あらすじ
木挽町で芝居茶屋「かささぎ」を切り盛りするのは若き店主・喜八とその兄弟分・弥助、そして気の利いた旬の料理を作る松次郎。
色男の喜八と弥助を目当てにやってくる女性客も多く、まずまずの繁盛ぶり。
ある日、店にやってきたのは眼鏡をかけ、上方訛りの言葉を話す風変わりな男。
常連客、おあさの父親であり、狂言作者であるこの男・東儀左衛門は、喜八と弥助に台本を書く手伝いをしてほしい、と言う。
一方喜八は近所の大茶屋、巴屋絡みの騒動に巻きこまれる。
狂言作者の登場にイケメンたちがふりまわされる!?
店にやってきた儀左衛門は、色男と評判の喜八と弥助に芝居のセリフを喋らせてイメージをふくらませ、台本を書きたいのだと言います。
強引に話を進める儀左衛門に困惑しつつも、儀左衛門に店の常連になってもらうこと、セリフの中に店の名前を入れてもらうことで引き受けました。
二人の男前ぶりとしっかりとしたセリフまわしに感嘆し、しきりに役者になることをすすめる儀左衛門ですが…。
また、喜八は近所の大茶屋・巴屋の前にガラの悪い男たちが立っているのを見かけます。
若い娘と供の女中が店に入れず困った様子でいるのを助けようとしますが、このことがまた新たなトラブルを呼び寄せてしまうのです。
まとめ
芝居の道に進む気はない、と公言している喜八ですが、台本づくりに協力することで芝居の世界に少しずつ興味がわいてきたようです。
クールな弥助も意外と器用に役をこなします。
本人たち以上に、役者としての二人を舞台で見てみたい!と周囲のテンションが上がってしまうのも納得。
そして大茶屋をめぐるトラブルでは鬼勘の抜け目ない包囲や心沸き立つ捕り物演出も。
江戸の平和を守るイケメンたちから目が離せない、「木挽町芝居茶屋事件帖」シリーズ第二弾。
<こんな人におすすめ>
芝居茶屋で働くイケメンたちが江戸で起こる問題を解決する話を読みたい
前作『初午いなり 木挽町芝居茶屋事件帖』を読んだ
篠 綾子のファン
前作『初午いなり 木挽町芝居茶屋事件帖』のイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。
往年の時代劇ドラマを
見ているようでワクワクするな!!
特にラストの演出は最高!!
江戸時代の御芝居が作られる
様子や、歌舞伎者たちの町での
存在感などから当時の世界を
楽しめるシリーズね。
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