こちらは『屍人荘の殺人』に続く
ミステリーよ。とある山奥へと
やってきたミステリ研究会の二人が
予言を元に次々と人が死んでいく事件に
巻き込まれるの。
ほほう。予言を元に人が死ぬ?
誰がそれを言ったんだ?
預言者として知られる老女がいるの。
彼女の予言によると「あと二日のうちに
この地で四人死ぬ」というのよ。
過去に多くの予言が当たっていて
信憑性があるのよ。
ええ〜!?そんなところに
あの二人は行っちゃったの!?
無事に帰ってこれるといいけど…
『魔眼の匣の殺人』今村 昌弘 (著) 創元推理文庫
あらすじ
神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と剣崎比留子は、かつて班目機関の研究施設があったという好見地区へとやってきた。
葉村たちとは別の目的を持って、または偶然居合わせた九名の男女は、地域の奥深くに住み預言者として恐れられる老女の邸へ向かう。
外界をつなぐ唯一の橋が燃えてしまい、脱出が不可能な状況に。
やがて老女の発した「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」という予言のとおり、一人、また一人と命を落とす。
予言の通りに人が死ぬ!?
紫湛荘事件の首謀者が関係する斑目機関。
その研究施設が人里離れた村にあったという記事をオカルト雑誌で発見した葉村は、比留子とともにW県の好見地区へ向かいます。
現地で預言者として恐れられている『サキミ様』は予知能力があり、被験者として研究所にいたとされているのです。
住民が見当たらず困っていたところ、女子高生の十色、男子高生の茎沢、二十代後半くらいの男性、王寺、元住人だという二十代半ばくらいの朱鷺野、車のトラブルで立ち往生したという師々田と小学生の息子、純に遭遇し、元研究施設だったミサキ宅へ向かいます。
「この二日で四人死ぬ」というミサキの予言を恐れた村人により橋は焼き落とされます。
雑誌記者の臼井、ミサキを世話する神服を加えた九人の男女が予言の二日間を過ごすのですが…。
まとめ
外界との連絡を絶たれた邸で死んでいく男女。
中には自然災害による事故もあり、ミサキの未来を透視する力は本当なのか、そして葉村や比留子たちは大丈夫なのかと、ハラハラドキドキが止まりません。
入念に組まれた構成とその背景が導き出す結果に驚き、感服する読み応えあるミステリーです。
<こんな人におすすめ>
予言が実現し人が死ぬ、クローズドサークルもののミステリを読んでみたい
前作『屍人荘の殺人』を読んだ
今村 昌弘のファン
ちょっと!!
物語の中で何回も山場が訪れて
そのたびにびっくりさせられるんだけど!!
超常現象と自然災害、そして
人為的な殺人が巧妙に組まれていて
興味深いわね。それでいて推理やトリックは
とても論理的で説得力のある、読み甲斐の
あるミステリーね。
前作『屍人荘の殺人』のイラストブックレビューはこちらからご覧いただけます。
本やイラストレビューが気に入っていただけたらポチッとお願いします。