こちらは認知心理学を用いて
容疑者が隠す真の動機を
暴く天才検事のお話よ。
認知心理学?
人間が物事を認知する仕組みを利用して
容疑者に対して発言や態度を示すことによって
真実を自発的に述べさせるの。
どうやって自白させるんだろ?
容疑者が何を隠しているかって
ところも気になるよな。
天才検事のお手並み拝見だ!
『認知心理検察官の捜査ファイル 検事執務室には噓発見器が住んでいる』
貴戸湊太 (著)宝島社文庫
あらすじ
「千葉地検の嘘発見器」と呼ばれる天才検事・大神祐介は検事執務室に住んでいる変わり者でもある。
新人事務官の朝比奈こころは、大神のもとで様々な被疑者たちの取り調べに立ち会う。
披露宴の最中に花婿を殺した花嫁、「月が綺麗だったから」と同棲相手を殺害した女性作家、嫌煙の仲の友人を殺害した男。
ある者は口を閉ざし、ある者は嘘をつく。
大神は認知心理学を用いて、隠された真相を暴く。
容疑者は嘘をついている?
警察で何度取り調べても落とせなかった被疑者を、一、二回の取り調べで落とすという天才検事・大神。
立会事務官となった朝比奈があいさつに行くと、そこには執務室で「暮らす」大神の姿。
最初に下された任務は食材の買い物…。
大神からの雑用をこなしつつ、様々な被疑者の取り調べに朝比奈は立ち会います。
誰から見ても仲の良かったカップルが、ケーキ入刀のタイミングで花婿の首をナイフで切りつけ、死亡させるという事件が。
動機は「夫の浮気」という被疑者ですが、朝比奈が担当刑事と共に調べてまわったところ、周囲の意見はみな「仲の良い夫婦で不倫などあり得ない」というものばかり。
花嫁の真の動機どは。
まとめ
態度や言動から相手に影響を与える認知心理学により、被疑者たちの動機や真相を暴き出す大神。
しかしそれはあくまでも手段であり、それ以前の鋭い分析力や推理力が前提にあってのこと。
その力が被疑者の複雑な心理に寄り添い、単純に真実を明らかにするだけではない、大神の人間的な魅力も味わえるミステリーです。
<こんな人におすすめ>
心理学を用いて容疑者の嘘を見抜く検察官の話に興味がある
容疑者が犯行に及んだ驚きの動機を描いたミステリーを読んでみたい
貴戸湊太のファン
わあ〜 お見事!!
ただ真実を明らかにするだけじゃなく
容疑者の心情に寄り添っているところも
グッと来るなあ。
心理学の知識も得られる興味深い
ミステリーよね。事件の背景にある
人間ドラマにも注目のミステリーよ。
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