『ご用命とあらば、ゆりかごからお墓まで 万両百貨店外商部奇譚』
真梨 幸子 (著) 幻冬舎文庫
あらすじ
老舗デパート、万両百貨店。外商部は、お客様の要望に応えるべく日々奔走している。「娘を就職させて」「激レア犬を飼いたい」など無理難題な依頼にも「できません」とは言わない。なんとかするのが外商なのだ。
老舗百貨店・外商部の仕事ぶり
総務から外商部へと異動してきた森本歌穂、売り上げ成績がジリ貧の根津剛平、後輩に売り上げトップの座を奪われた小日向淑子、そして不動のトップ・大塚左恵子。彼らの顧客や万両百貨店の従業員などが複雑に絡まりあいながら、顧客や己の欲望を満たすべく、あらゆる手を尽くします。
まとめ
顧客が望むものの影に潜む、他人の悪意や騙し騙される狡猾な手口。ひとつのエピソードがジワリと染み込む悪意を漂わせ、全てが出揃ったときに、悪の集合体の曼荼羅を眺めているような気分になります。「人としてのあり方」と「外商としての生き方」がマイナス方向へ猛スピードで進むとき。その姿に背筋が凍りつかずにはいられない、お仕事イヤミスです。
<こんな人におすすめ>
百貨店の人間やお客が絡むイヤミスを読んでみたい
顧客の無茶振りな要望とそれに外商がどのように対応するかに興味がある
真梨 幸子のファン
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