こちらは夫と離婚して
祖母と母が暮らす実家に引っ越してきた
女性が、隣人の女性と親しくなり
彼女の秘密を知る物語よ。
戻れる場所があるって
いいことじゃないか。
ところで隣人の秘密って何?
なんかやばいこと?
実家はゴミ屋敷状態で祖母と母は
毎日のようにケンカをしているの。
隣人の女性は役所の助けを受ける
こともなく、父、祖母、そして
現在は祖父とずっと家族の介護を
しているの。
主人公も隣人もなかなか
ハードモードな人生だな。
何十年も介護してるって想像つかん。
生活費とかってどうなってるんだろう?
『DRY』原田ひ香 (著) 光文社文庫
あらすじ
三十三歳の藍は離婚し、二人の子供の親権は夫が持つこととなり、一人で暮らしている。
しかし生活が困窮し、祖母と母がいる実家へと引っ越すことに。
金にうるさく見栄っ張りで身の回りもだらしない上にケンカばかりする祖母と母。
そんな二人に挟まれた藍の話を聞き、助けてくれたのは隣に住む美代子。
次第に打ちとけていった二人だが、あるきっかけで藍は美代子の秘密を知る。
介護に身を費やす心優しき隣人の秘密
パートで事務仕事をしながら切り詰めて生活している藍。
ある日弁護士から連絡があり、母が祖母を切りつけ、傷害罪で逮捕されたため、面会に行って欲しいと言われます。
幸い祖母は命に別状はなく、一週間ほどで退院。
実家の様子を見にいくと、そこはゴミ屋敷。
ぼうぜんとする藍に声をかけてくれたのは隣に住む美代子でした。
彼女は若い頃から祖母や父らの介護をしていて、現在は祖父の世話をしているとのこと。
藍の実家の掃除を手伝い、越してきた藍のために仕事先を見つけ、その場で連絡させます。
めでたく働けるようになった肉屋の惣菜を、美代子と分け合い、二人は次第にいろいろなことを話すように。
そしてある日、藍は美代子の家を訪れます。
美代子は留守のようで奥からは祖父が美代子を呼ぶ声がします。
美代子の不在を伝えようと、祖父の部屋のふすまを開いた藍が目にしたものとは。
まとめ
貧困を生む原因は様々です。
親から子へと受け継がれていく教育の不足、家族が順に倒れ、社会に出る機会もなく延々と続く介護。
力を尽くして生活し、働いていてもお金として受け取ることができません。
また限られた環境での生活も視野が狭くなるでしょう。
「こうするしかなかった」という状況に追い込まれた彼女たちを生み出す現代社会の歪みを描いた、驚愕の犯罪小説。
<こんな人におすすめ>
貧困から深い闇に落ちいていく女性を描いた物語に興味がある
長い間介護を続ける女性が抱く秘密は何なのかが気になる
原田ひ香のファン
えっ ちょっと!!
タイトルってそういう…?(ll゚Д゚)・・
孤独や貧困は犯罪への
ハードルを下げる要因でも
あるのよね。
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