こちらは2205年の近未来が舞台の
お話よ。労働は全てAIが行い、人々は
自由に過ごせる世界。でもその暮らしに
重要な役割を果たすAIが不調をきたしてしまい
趣味で心理学を学んでいる女性がAIを
「カウンセリング」するの。
AIをカウンセリング!?
AIって自己意識を持つものなのか?
AIにとっても初の試みであり
もちろんこの状態を改善するチームも
はじめて尽くしになるわね。問題を
解決するために女性はAIとともに
旅に出るのよ。
ええ!?AIと旅に??
どんな経過があってそうなったのか。
AIとの旅はどんな様子なのか。
気になるぜ!!
『タイタン』野﨑まど (著) 講談社タイガ
あらすじ
2205年。
『仕事』と呼ばれるものの大半がAIによって行われる、人類にとって楽園とも言える時代となった。
労働から解放された人類は自由を楽しんでいる。
趣味で心理学を嗜む内匠成果は、ひょんなことから失われたはずの『仕事』を請けることに。
私たちの暮らしを支えるAI、通称「タイタン」の作業能力が落ちていることから、カウンセリングを行うという内容。
仕事とは、働くことは何かをテーマに繰り広げられる未来SF小説。
AIとともに考える「仕事」とは何か
AIの技術の進歩により、人の仕事のほとんどはAIが行う世の中に。
国連開発計画が人間知能をベースとした世界基準AIフォーマット「タイタン」を開発。
世界十二地点に設置され、人類のために働き続けています。
心理学を趣味とし、時折講演なども行う成果は、国連開発計画のナレインに半ば強制的な形で仕事を押し付けられます。
それはAIの「カンセリング」。
十二基のタイタンのうちの一つ、北海道の摩周湖近くに設置されたタイタン、通称「オイコス」の作業効率が下がっているため、会話からその原因を探る、というもの。
現地にはAI研究者のベックマン博士、エンジニアの雷、そして管理者であるナレインが全体の進行を把握し、コーディネートしていきます。
オイコスが空中投影により人の形を成し、自我を認識し、やがて「仕事」とは何なのか、といったカウンセリングを進めていきます。
「仕事を選ぶ自由がある」という言葉を耳にしたオイコスに大きな変化が。
現場の人間たちだけでは処理しきれない事態に国連開発計画が出した対応策は、もう一基のタイタンと直接会うこと。
つまりオイコスと成果たちはシリコンバレーへと向かうことに。
まとめ
労働と呼ばれるものは必要がなく、AIが人間を快適に過ごせるように提案し、実行してくれる世界。
そんな人間の楽園を支えてくれるAIが「仕事」について疑問を持ってしまったとしたら。
自分は何か、自分と他のものとの境界とは、そして「仕事」の意味。
早送りで人生を送っていくようなオイコスに寄り添う成果もまた、いっしょに「仕事」や「幸福」について考えていきます。
AIの成長を見守り、自分自身の「仕事や「生き甲斐」に目を向けたくなるSF小説です。
<こんな人におすすめ>
AIにより楽園のような生活の未来を描いた話に興味がある
「仕事」とは何かを考えさせられる話を読んでみたい
野﨑まどのファン
すごいな。一つの生き物が
自我を得てから様々な認識を
広げていく過程は圧巻される。
ちなみに飼い主は「この時代に
生まれたかったな〜」と言っているぞ。
働かなくても良いなんて
素晴らしい世界よね。
でもそのAIがどのような認識を持って
「仕事」に取り組んでいるのか。
「仕事」自体の意味についても
考えさせられる物語ね。
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