こちらは友人の屋敷に招かれた
日本人留学生のリセが、屋敷の
周辺や内部で起こる事件の
謎に挑む物語よ。
屋敷ではどんな事件が
起こるんだ?
屋敷の近くで四肢を切断された
死体が発見されたり
パーティーが行われる屋敷に
集まった人物が倒れたり
行方不明になったりするの。
うわあ 怖…
リセはそんなところにいて
怖くないのか?そしてどんな
推理を働かせるんだろう。
『薔薇のなかの蛇』恩田陸 (著) 講談社文庫
あらすじ
父親の招集により、ブラックローズハウスへとやってきたアーサーと弟のデイヴ。
親戚や妹の友人たちまでも招待されたパーティーで、父は一族に伝わる「聖杯」を披露するらしい。
近隣で起こった四肢切断遺体遺棄事件の噂が囁かれる中、屋敷の敷地内で第二の切断遺体が発見される。
英国留学中のリセはパーティーに集まった人々やレミントン家一族らと交流しながら事件の謎に挑む。
屋敷で次々と起こる事件
妹・アリスが考古学の学会で知り合ったというリセは黒髪で落ち着いた物腰の神秘的な女性。
弟のデイヴはすぐにリセに興味を抱いたようですが、兄のアーサーはどんな素性なのかとうかがっています。
パーティーでは「聖杯」のお披露目がメインのようですが、彼らはあまり乗り気ではない様子。
年の離れたいとこ、キースの部屋で飲んでいたアーサー、デイヴ、アリス、アレン叔父とキースは、丘の斜面で揺れ動く光を発見。
皆で見に行ってみるとそこには、今話題の殺人事件と同じ四肢を切断され胴体をまっぷたつにされた死体が…。
例の事件の犯人が近くにいるのか、それともレミントン家に何か恨みを持つ者の仕業なのか、そして犯人はこの屋敷の中の人物なのか。
自分に疑惑の目を向けるアーサーをサラリとかわし、冷静に状況を分析しながら推理していくリセ。
ところが、今度はアレン叔父が毒入りの酒に倒れ、さらに父・オズワルドが行方不明に。
いったいこの屋敷で何が起こっているというのか。
まとめ
謎多き美少女・リセが十九世紀に建てられたという、いわくつきの屋敷で起こる事件に挑みます。
武器の売買で財産を築き上げてきたレミントン家。
長男のアーサーは研究所勤め、弟のデイヴは父の事業を受け継ぐべく、金融業を学んでいます。
人柄的にも事業の進め方にしても、家族を含めた周囲から好かれているとは言い難い、彼らの父・オズワルド。
彼が披露した聖杯とはどんなもので、披露することにどんな意味があるのか。
また意匠をこらした屋敷の作りにどんな秘密があるのか。
そして発見された死体が示す意図は何なのか。
異国の地で、完璧なクイーンズ・イングリッシュを話し、動ずることなく冷静に判断するリセ。
ちらりと隠された一面をのぞかせながらも、事件の真相へと確実に近づいていきます。
謎多き美男美女、アーサーとリセの緊張感あるやりとりも見どころのゴシックミステリ。
<こんな人におすすめ>
ミステリアスな日本人少女がイギリスの古い館で起こる殺人事件の謎を解くミステリに興味がある
不穏な空気が渦巻くゴシックホラーを読んでみたい
恩田陸のファン
リセ、かっこいいな!!
ミステリアスで頭脳明晰!
そんでもってダークな一面も
チラリと見せるところがまたいい!
何重にも張り巡らせられた
謎が鮮やかに解明していく
シーンは圧巻ね。重厚な空気と
リセのミステリアスな魅力が
マッチしたゴシックミステリーね。
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