『私たちは生きているのか? Are We Under the Biofeedback?』
森 博嗣 (著) 講談社タイガ文庫
「BOOK」データベースより
富の谷。「行ったが最後、誰も戻ってこない」と言われ、警察も立ち入らない閉ざされた場所。そこにフランスの博覧会から脱走したウォーカロンたちが潜んでいるという情報を得たハギリは、ウグイ、アネバネと共にアフリカ南端にあるその地を訪問した。富の谷にある巨大な岩を穿って造られた地下都市で、ハギリらは新しい生のあり方を体験する。知性が提示する実存の物語。
全てが難なく手に入るのは理想の世界?
脳だけとなったウォーカロンたちが、自ら作り上げたバーチャルの世界で過ごす。病気や怪我をすることもなく、希望したものはプログラミングをすれば難なく手に入る。
ハギリたちはこの整然とした美しい世界のあり方に疑問をぬぐえません。現実の不自由さとは、行きていることの証明に他ならないからです。
まとめ
「理想の生」をテーマに迎えたシリーズ最終巻。究極の「生」について読者に投げかける、人間とウォーカロンの物語です。
<こんな人におすすめ>
ウォーカロンシリーズを読んでいる
「生きている」の定義を知りたい
森 博嗣ファン
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